御堂筋

御堂筋

大阪市のメインストリートである御堂筋(みどうすじ)は第7代大阪市長・関一(せきはじめ)の「都市大改造計画」の提唱で大正15年に拡幅工事が始まり、3375万円の巨費を投じて昭和12年に完成した大通り。明治22年、鉄道の開通によって、大阪駅を玄関とした南北を貫く幹線道路の建設が急務となったのです。日本の道100選にも選定。

11月〜12月には『御堂筋イルミネーション』も

拡幅以前の御堂筋は、幅6m、北の淡路町から南の長堀まで1.3kmという城下町の名残を残す狭く短い道でした。
幅24間(44m)、南北4050mに拡張する計画はまさに「船場に飛行場を造る」ように大胆なものだったとか。

平成19年に70周年を迎えた御堂筋は、梅田の阪急前を起点に、難波の高島屋を結ぶ、全長約4kmにわたる大阪を代表する道路。
街灯には【西259】(御堂筋の西側、阪急前から2590m)という距離標が設置されています。

ちなみに御堂筋はあくまでも愛称で、大阪市によると、正しくは(行政的には)国道25号、国道176号の一部とのこと。
沿道にある北御堂(浄土真宗本願寺派本願寺津村別院)、南御堂(真宗大谷派難波別院)を結ぶ道というのが愛称の由来です。
つまりは、御堂さんへの参道として自然発生的にうまれた名前と推測できるのです。
記録から、少なくとも江戸時代初期には御堂筋と称されていたことがわかっています。

毎年、11月〜12月には御堂筋4kmが電飾される『御堂筋イルミネーション』も行なわれています(地区ごとにエリアカラーが異なります)。

大阪府内で日本の道100選に選定されるのは、御堂筋のほか、富田林寺内町・城ノ門筋(富田林市)、フェ二ックス通り (堺市)の3ヶ所です。

御堂筋の景観を生み出した「百尺制限」

洗練された都市計画に基づいて設計された御堂筋は、地下を利用した地下鉄の敷設、淀屋橋南詰から難波まで800本のイチョウの植栽、さらに百尺(30m)制限でビルの高さを規制しています。

とくに百尺制限は、先進の景観保護政策で、この高さ制限により大阪瓦斯ビルヂング(軒高100尺、塔屋高120尺/国登の録有形文化財)や大丸心斎橋店(旧本館)などのレトロ建築の軒が揃う美しい町並みが誕生したのです。

御堂筋の拡幅にあたり、もうひとつモメたのが、植栽する並木。
パリ・シャンゼリゼ通りに植えられていたプラタナスを植えようという考えと、日本の風土にあったイチョウとする派に分かれて対立したのです。
そのため、大江橋以北はプラタナス、土佐堀川に架る淀屋橋以南はイチョウと決められたのです。
その後、プラタナスは成長が早すぎるため、イチョウに植え替えられ、平成23年に1000本弱というすべてがイチョウになっています。

昭和8年5月20日、道路に先駆けて梅田~心斎橋間(3.1 km)が開通した地下鉄御堂筋線は、日本で2番目に古いもので(昭和2年12月30日、東京地下鉄道銀座線浅草〜上野間開業に次ぐ)、今でも心斎橋駅にあるアーチ型の高い天井、シャンデリアが当時の雰囲気を伝えています。

御堂筋
名称 御堂筋/みどうすじ
所在地 大阪府大阪市北区中之島1
関連HP 大阪市公式ホームページ
電車・バスで 大阪メトロ淀屋橋駅・本町駅・心斎橋駅・なんば駅からすぐ
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ 大阪観光案内所 TEL:06-6131-4550
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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