富山県射水市の海王丸パークに係留される帆船海王丸。商船学校の練習船として昭和5年2月14日に進水した初代の帆船海王丸は、その優美な姿から「海の貴婦人」と呼ばれています。その帆船海王丸を平成2年4月に富山新港に回航、現役のまま係留公開した施設で恋人の聖地となった海王丸パークのメイン施設となっています。
昭和5年2月14日進水の「海の貴婦人」
昭和2年3月、鹿児島商船水産学校の練習船「霧島丸」が宮城県金華山沖にて暴風雨のため沈没し、乗組員および生徒の合計53名が全員死亡するという大惨事が発生。
それを契機に「日本丸」、「海王丸」という大型練習帆船2隻(当時全国 11 校あった公立商船学校の共有練習帆船として)の建造が決定します。
昭和5年2月14日、神戸・川崎造船所艦船工場(現・川崎造船神戸工場)で進水。
以来、平成元年9月16日に引退するまで、第一次遠洋航海(トラック島)以来、平成元年の最後の遠洋航海(ホノルル、ポートアレン)に至るまで、 59年にも及ぶ総航程は106海里(地球約50周)。
育てた海員は1万1190人を数えます。
引退後、財団法人帆船海王丸記念財団に払い下げられ、一般公開のための改修工事が施され、平成2年4月28日、富山新港北埠頭で一般公開が開始されました。
その後、何度か修復が行なわれ、海王丸パークのメイン施設として余生を送っているのです。
29枚ある帆をすべて広げる総帆展帆(そうはんてんぱん)は、4月下旬~11月初旬の間に10回ほど実施されるので、ホームページでチェックを。
現在、国内の帆船で総帆展帆を実施、見学できるのは海王丸と横浜港に保存される日本丸の2隻だけ。
船体整備期間を除く毎日、日没~20:00にはイルミネーションも実施。
ちなみに海王丸が射水市に保存されているのは、海王丸で多くの海員が育った旧富山商船高等専門学校(現・富山高等専門学校射水キャンパス/新湊町立新湊甲種商船学校が前身、全国5ヶ所に設置された商船高専のうち唯一日本海側にあった)が近くにあるから。
帆船「海王丸」(初代)仕様
船種:4本マストバーク型帆船
総トン数:2238.4トン
全長:97.05m
全幅:12.95m
メインマスト:海面から46m
総帆数:29枚(合計1245畳分)
機関方式:ディーゼル(2基)
設計:ラメージ&ファーガッソン社(スコットランド)
建造:川崎造船所艦船工場(現・川崎造船神戸工場)
帆船海王丸 | |
名称 | 帆船海王丸/はんせんかいおうまる |
所在地 | 富山県射水市海王町8 |
関連HP | 海王丸パーク公式ホームページ |
電車・バスで | 万葉線海王丸駅から徒歩5分 |
ドライブで | 北陸自動車道小杉ICから約11km |
駐車場 | 600台/無料 |
問い合わせ | 海王丸パーク TEL:0766-82-5181/FAX:0766-82-5197 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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