富山県富山市有峰、一級河川・常願寺川水系の和田川を堰き止めた発電用ダムが、有峰ダム。北アルプス・薬師岳を眺めるダム湖・有峰湖は、ダム湖百選に選定されています(富山県では黒部湖と2ヶ所)。ブナやミズナラなど落葉樹の多い有峰湖周辺は、新緑紅葉の名所にもなっています。
湖畔には有峰森林文化村(有峰森林文化公園)が整備
有峰ダムは、重力式コンクリートダムで、堤高140m、堤頂長500mという巨大なダム。
ダム湖の有峰湖も湛水面積512haで、ダム湖の中央には宝来島があります。
この宝来島、もともとは吉事山と呼ばれた山の頂上部分が、水没せずに露出したもので、北陸電力が有峰ダムの完成を記念して建立した有峰神社が鎮座しています。
有峰ダムは、もともと、富山県営電気事業として大正12年に調査が始まり、昭和10年に建設が決定。
戦時下の昭和17年、日本発送電に引き継ぎますが、資材や人員が不足で中断。
戦後、北陸電力が引き継いで、昭和35年に完成しています。
ダム工事の殉職者は164人で、ダムの近くには慰霊碑が立っています。
有峰湖自体は、中部山岳国立公園から少し西に外れ、有峰県立自然公園に指定。
富山県と北陸電力は、林道使用料収入と両者の負担による特別会計を設け、周辺の自然保護に尽力しています。
これが有峰森林文化村(有峰森林文化公園)で、有峰ビジターセンター、宿泊施設の「有峰ハウス」(和室7室、洋室3室)、遊歩道やキャンプ場、バーベキュー広場が整備されています。
有峰ダム(有峰湖)周辺、有峰森林文化村(有峰森林文化公園)の紅葉の見頃は、例年10月中旬~10月下旬頃。
有峰の名の由来は!?
有峰という名は、水源を表す宇連(うれ)から、有嶺(うれい)と呼んでいましたが、加賀藩2代藩主・前田利常(まえだ としつね)の頃に有峰が使われるようになり、憂れ(うれ)につながることを嫌ったことから加賀藩4代藩主・前田綱紀(まえだつなのり)が有峰(ありみね)に定めたと伝えられています。
加賀藩の力が及んだのは、北アルプスの立山連峰や薬師岳(藩政時代は地蔵岳と呼ばれていました)、黒部渓谷が、越中国と信濃国、飛騨国、越後国との国境で、奥山廻り(おくやままわり)と呼ばれる国境警備、樹木保全のパトロールが盗伐者などを取り締まるために巡回していたため。
6月〜8月に、上奥山(越中と信濃、飛騨との国境地帯)と下奥山(越中と信濃、越後との国境地帯)で隔年で見回りを行なっていました。
有峰ダム(有峰湖) | |
名称 | 有峰ダム(有峰湖)/ありみねだむ(ありみねこ) |
所在地 | 富山県富山市有峰 |
関連HP | 北陸電力公式ホームページ |
電車・バスで | 富山地方鉄道有峰口駅からタクシーで40分 |
ドライブで | 北陸自動車道立山ICから約32km |
駐車場 | 有峰湖展望台駐車場(10台/無料) |
問い合わせ | 常願寺水力センター工務課TEL:076-481-1106/有峰ビジターセンター TEL:076-481-1758 |
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