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那智の滝

華厳滝、袋田の滝とともに日本三名瀑のひとつ、そして日本の滝百選に数えられる那智の滝。那智大滝として国の名勝にもなっています。落差133m、幅13m、滝壺の深さ10mの大滝で、平安時代以降、聖地として知られ、滝自体が熊野那智大社の別宮・飛瀧神社の御神体となっています。「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録。

那智の滝は熊野那智大社別宮・飛瀧神社の御神体

飛瀧神社の鳥居

那智原始林(33ha)が茂る那智山の山中には多くの滝が懸かり、那智四十八滝を総称して那智滝とも呼びますが、一般には一ノ滝、大滝ともいわれるこの滝を那智滝と呼んでいます。

那智の滝(大滝)は飛瀧神社のご神体で、滝に対する自然信仰が残されています。
禊(みそぎ)の滝にもなっていて、修験道の場として今でも信仰されています。

那智の滝(大滝)は、国の重要無形民俗文化財『那智の扇祭り』の祭祀の中心で、世界無形文化遺産の指定を受けた「那智の田楽」が奉納される場所にもなっています。

那智四十八滝は、明治以前には修験道の聖域で、西国三十三所巡礼を始めた花山法皇も二の滝の断崖上に庵を設けて、千日滝篭行をしたと伝えられていますが、明治の神仏分離令・修験道廃止令によって廃れてしまいました。
現在、青岸渡寺の手によって、那智四十八滝回峰行が再興されています。

一段の滝としては日本一の落差を誇る!

飛瀧神社の境内に滝見台(御瀧拝所)が設けられており、より迫力ある大瀑布を見学することができます。

正月などには『那智の瀧ライトアップ』も実施。
ちなみに一段で落下する落差133mは、一段の滝としては日本一(総合落差では日本12位)。
滝周辺の暖帯性常緑広葉樹を主体とする原生林とともに吉野熊野国立公園の特別保護地区に指定されています。

また、浸食に強い熊野酸性火成岩類の花崗斑岩と比較的やわらかい熊野層群の地層の境界に形成された滝で、南紀熊野ジオパークのジオスポットにもなっています。

那智の滝と三重塔のツーショットが有名なアングルですが、三重塔は青岸渡寺(せいがんとじ)の三重塔。
明治以前の神仏混淆(しんぶつこんこう)時代には那智権現として現在の熊野那智大社と一体になって信仰されていました。
熊野三山の中で神仏習合時代の姿を今に伝える唯一の例になっています。

『熊野那智参詣曼荼羅』に描かれる那智の滝と熊野権現(熊野那智大社・青岸渡寺)
那智の滝
名称那智の滝/なちのたき
Nachi Falls
所在地和歌山県東牟婁郡那智勝浦町西中野川
関連HP那智勝浦町観光協会公式ホームページ
電車・バスでJR紀伊勝浦駅から熊野交通バス那智山行きで27分、滝前下車、徒歩5分
ドライブで阪和自動車道南紀田辺ICから約106km
駐車場周辺駐車場利用(300台/有料)
問い合わせ那智勝浦町観光協会 TEL:0735-52-5311/FAX:0735-52-0131
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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