世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録される高野山町石道沿いにあり、弘仁10年(819年)5月3日、空海が高野山に丹生明神と狩場明神(高野明神)を勧請した際に、神域の入り口として建立した2基の鳥居が並ぶことから二ツ鳥居と呼ばれる場所。現在の鳥居は、慶安2年(1649年)、243代金剛峯寺座主・叟遍(そうへん)の再建。
鳥居が金剛界と胎蔵界を表す両部鳥居なのは、神仏習合の名残り
高野山は真言密教の聖地なのに、鳥居があるというのは、明治の神仏分離、廃仏毀釈まで神仏習合の地だったから。
丹生明神と狩場明神(高野明神)も空海を高野山に導いたと伝えられる神々で、鳥居はそれぞれを遥拝するためと推測できます。
鳥居は、高さ5.6m(一丈七尺)、幅4.7m(二間)の大型の両部鳥居です。
金剛界と胎蔵界の両部は而二不二(二つでありながら一体)であるとするのが真言密教の教学の根本思想。
つまり、両部鳥居は神仏習合を示す名残りで、空海ゆかりの社はこの両部鳥居を構え、安芸の宮島・厳島神社(江戸時代までは寺が管理した神仏習合)の大鳥居などもこの両部鳥居なのです。
この二ツ鳥居先は、かつては木の伐採も禁じらた聖域でした。
120町石も置かれていますが、高野山町石道の180町の行程のうち、ここまで歩いて3分の1ということに。
天野の里を見下ろす展望台もあり、この二ツ鳥居から八町坂を下れば、天野の里鎮座する空海ゆかりの丹生都比売神社で、この八町坂経由の道は、町石道よりも行程が短く、しかも丹生都比売神社に参拝できることから朝廷の勅使なども利用していました。
二ツ鳥居 | |
名称 | 二ツ鳥居/ふたつとりい |
所在地 | 和歌山県伊都郡上天野かつらぎ町 |
関連HP | かつらぎ町観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | 南海高野線九度山駅から徒歩3時間20分 |
問い合わせ | かつらぎ町観光協会 TEL:0736-22-0300/FAX:0736-22-6432 |
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