和歌山県和歌山市、和歌山城の東南にあり、明治28年4月1日に開園した歴史ある公園が、岡公園。公園内に静態保存された市街電車321形321号は、和歌山市の市電的な役割を果たした南海和歌山軌道線の車両。和歌浦への観光路線としても機能し、昭和46年3月31日に廃線となった和歌山軌道線で活躍した車両です。
和歌山市内の路面電車として活躍した車両を静態保存
明治42年1月23日、和歌山水力電気が和歌山市内の県庁前(廃線時は市役所前)〜和歌浦口間が開業したのに始まる和歌山市電。
大正11年7月1日に京阪電気鉄道となり、昭和5年に合同電気(後の東邦電力)、さらに昭和15年に阪和電気鉄道に譲渡され、和歌山電気軌道を設立。
阪和電気鉄道が南海鉄道に吸収され、南海鉄道は関西急行鉄道と合併して近畿日本鉄道となったことで、昭和19年には、近鉄翼下の和歌山電気軌道になって、和歌山市における公共交通の中枢に。
昭和36年に南海電気鉄道と合併し同社の和歌山軌道線になっています。
321形の車両は、南海和歌山軌道線となった直後の昭和38年、日立製作所笠戸工場(山口県)で製造された7両のうち1両。
鋼鉄製車体の定員80名(着席定員32名)と当時としては大型の車両で、台車にはコイルバネを使用しているため、乗り心地はよかったとのこと。
現存するのは、海南市・室山団地の公園内にある321形322号とこの車両のみとなっています。
行き先表示は、和歌浦口など随時変えられています。
ちなみに和歌山軌道線の紀三井寺~琴の浦間(3.86km)は専用軌道で、現在、紀三井寺緑道として整備され、廃線跡歩きを楽しむことができます。
琴の浦近くには、明治44年1月3日の紀三井寺〜琴の浦間開業時に開通したトンネル、鵬雲洞が現存しています。
岡公園・市街電車321形321号 | |
名称 | 岡公園・市街電車321形321号/おかこうえん・しがいでんしゃ321がた321ごう |
所在地 | 和歌山県和歌山市岡山丁3 |
関連HP | 和歌山市公式ホームページ |
電車・バスで | JR和歌山駅から和歌山バス和歌山港方面行きで6分、和歌山城前下車、徒歩7分 |
ドライブで | 阪和自動車道和歌山ICから約5km |
駐車場 | 46台/有料 |
問い合わせ | 和歌山市観光課 TEL:073-435-1234/FAX:073-435-1263 |
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