万葉の里・飛び越え石

万葉の里・飛び越え石

和歌山県橋本市隅田町と奈良県五條市相谷町の境を流れる小川が、落合川。紀ノ川へ合流する直前の両岸が、万葉の里で、万葉古道が落合川を渡る場所にあるのが飛び越え石です。巨石の間を川が流れ、岩から岩へと飛び移って渡河するのが名の由来です。少し分かりづらい場所なのが難点。

一帯は万葉集に8首の歌がのる万葉の里

紀州・大和国境だった真土川(現・落合川)周辺は、奈良時代にはとても人気の場所で、8首の歌が残されています。
「あさもよし 紀伊人羨しも 真土山 行き来と見らむ 紀伊人羨しも」(巻1-55)
「真土山 夕越え行きて 廬前の 角太川原に ひとりかも寝む」(巻3-298)
「神亀元年甲子の冬の十月に、紀伊の国に幸す時に、従駕の人に贈らむために娘子に誂へらえて作る歌
大君の 行幸のまにま もののふの 八十伴の男と 出で行きし 愛し夫は 天飛ぶや 軽の路より 玉たすき 畝傍を見つつ あさもよし 紀伊道に入り立ち 真土山 越ゆらむ君は 黄葉の 散り飛ぶ見つつ にきびにし 我れは思はず 草枕 旅をよろしと 思ひつつ 君はあるらむと あそそには かつは知れども しかすがに 黙もえあらねば 我が背子が 行きのまにまに 追はむとは 千たび思へど たわや女の 我が身にしあれば 道守の  問はむ答を 言ひやらむ すべを知らにと 立ちてつまづく」(巻4-543)
「白栲に にほふ真土の 山川に 我が馬なづむ 家恋ふらしも」(巻7-1192)
「あさもよし 紀伊へ行く君が 真土山 越ゆらむ今日ぞ 雨な降りそね」(巻9-1680)
「橡の 衣解き洗ひ 真土山  本つ人には なほしかずけり」(巻12-3009)
「いで吾が駒 早く行きこそ 真土山  待つらむ妹を 行きて早見む」(巻12-3154)

巻9-1680に「紀伊へ行く君が」とあるように、都のあった大和国を離れ、紀伊国へ行く人を見送る場でもあったのでしょう。

万葉歌に登場する真土山(まちつやま・待乳山)は、落合川沿いの洪積丘陵。
真土峠(まつちとうげ)は南海道の道筋で、現在、国道24号が越えています。
南海道は、ヤマト王権時代に、紀ノ川河口の紀水門(きのみなと)が王権の外港だったこともあって、外港と都を結ぶ道として重要性が高まり、飛鳥・奈良時代に道として整備されています。
近世には

車の場合は真土万葉の里駐車場が用意され、徒歩10分ほど。
JR和歌山線・隅田駅からは徒歩15分ほどで到達できます。

万葉の里・飛び越え石
名称 万葉の里・飛び越え石/まんようのさと・とびこえいし
所在地 和歌山県橋本市隅田町真土325
関連HP 橋本市公式ホームページ
電車・バスで JR隅田駅から徒歩15分
ドライブで 京奈和自動車道橋本東ICから約2km
駐車場 真土万葉の里駐車場を利用
問い合わせ はしもと広域観光案内所 TEL:0736-33-3552/橋本市観光案内窓口 TEL:0736-33-6106
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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