「幻の白いシャチ」2頭が知床・羅臼沖に! 観光船で遭遇するチャンス!|2024年

幻の白いシャチ

「流氷がもたらす生態系」が知床が世界自然遺産に登録された理由ですが、それを具現化するのが、初夏〜夏に根室海峡にやってくる、シャチの群れ、そしてマッコウクジラ。2024年はシャチに関しては数十頭も確認できることがしばしば。しかも運が良ければ白いチャチ2頭に出会うこともできるのだとか。

「幻の白いシャチ」が2頭、根室海峡に!

幻の白いシャチ
観光船「アルラン3世」とシャチの群れ

「例年だと、7月に入れば、シャチからマッコウに代わるのですが、今年はシャチが居座ってくれているので、長く観察できています」
港を出てからわずか30分ほどで複数の群れに遭遇することもあり、観光船の乗客からは歓声が上がります。
「シャチは結構遊んでくれて、船の下をくぐることもしばしば」
というから、スクリユー音などから観光船を識別しているのだと想像できます。

知床というと痛ましい観光船の転覆事故を思い起こしますが、あの事故は知床半島の反対側、ウトロの船。
羅臼側は、国後島(くなしりとう)との間の根室海峡にシャチ、マッコウクジラがやって来ますが、実は、これも流氷がもたらすプランクトンの恩恵。
根室海峡は巨大なプールとなって流氷がGW頃まで留まり、春の日差しを浴びて、植物性のプランクトンが爆発的に増加。
それを目当てに動物性のプランクトンが、魚類が・・・と、生態系を築いているのです。
海の生態系の頂点に立つのがシャチ。
アイヌの人々がレプンカムイ(沖の神)と呼んだ「海の王者」で、世界的にも陸近くでシャチの群遊を目にできるのは羅臼だけで海外からも多くの人がやって来ます。

真っ白なシャチは、幻の存在ともいわれるシャチで、2頭はいずれも成獣。
そのうち1頭はオスと見られています。
動物の体が白くなる原因には、遺伝的な理由でメラニン色素が作れなくなる「アルビノ種」がありますが、根室海峡に訪れるシャチ2頭がなぜ白いのか、研究者たちにもよくわかっていません。

根室海峡で白いチャチが目撃されるのは、2019年からで、毎年のように目撃されていますが2頭同時に目撃されたのは2021年以来のこと。

7月も半ばになると、マッコウクジラも登場となり、知床も夏本番を迎えます。
羅臼町では、羅臼港を起点に、毎朝、3社〜4社の観光船がほぼ同時に出航。
連携を取り合って、シャチやマッコウクジラを探すので、遭遇率も高まり、もしものときの安心感もあるのだとか。
もともと運輸省認可の観光船だったという「アルラン3世」の高橋幸雄船長、かつての交通船(岬先端の番屋に物資を輸送)の歴史を有する「エバーグリーン」の長谷川正人船長ともに、根室海峡には精通。
漁師からの出没情報も入るので、「かなりの確率で遭遇」と胸を張っています。

取材・画像協力/アルラン3世・高橋幸雄船長

幻の白いシャチ
「幻の白いシャチ」2頭が知床・羅臼沖に! 観光船で遭遇するチャンス!|2024年
所在地 北海道目梨郡羅臼町本町羅臼港
場所 羅臼港出航
関連HP 観光船アルラン3世公式ホームページ
電車・バスで 中標津バスターミナルから阿寒バス羅臼行きで1時間30分、終点下車、徒歩10分で羅臼港
ドライブで 根室中標津空港から約62kmで羅臼港
駐車場 羅臼港駐車場(20台/無料)
問い合わせ 観光船アルラン3世 TEL:0153-87-4477 FAX:0153-85-7977
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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