「謎の環状木柱列」(ウッドサークル)のある遺跡、真脇遺跡

真脇遺跡・環状木柱列

石川県鳳珠郡能登町にある縄文時代の集落遺跡が、真脇遺跡。この真脇遺跡からは、縄文時代晩期の地層から円形に配置された巨大な柱の列が出土しています。これが「環状木柱列」(かんじょうもくちゅうれつ)。「ウッドサークル」と呼ぶ研究者もいますが、北陸地方だけ出土する不思議な遺構です。

謎が謎を呼ぶ縄文時代晩期、北陸だけの環状木柱列

真脇遺跡・環状木柱列

「直径90cm以上のものから小さいものでは30~50cmくらいのものまで、巨大な柱が真円配置で、線対称形に並べて立てられています」(真脇遺跡縄文館)。
環状列石(ストーンサークル)は日本各地にありますが、縄文時代晩期、しかも北陸地方だけに出土するのが環状木柱列。

各地の遺跡とも木材はすべてクリの木で統一されていますが、これは縄文人が腐食に強いのがクリ材であることを熟知していたから。
どの柱も丸太ではなく、かまぼこ状に割られ、しかも芯をくり抜くという手間のかかる設計に。
平らな面を外側に配置し、円形に並んだ柱の中には入り口と見られる施設が設けられています。

腐食に強いクリ材とはいえ、経年劣化は進むので、真脇遺跡でも少なくとも6回の立て替えが確認されています。

何度も立て替えまでされた環状木柱列(ウッドサークル)。
何やら儀式(原始的な祭祀)が行なわれた可能性も感じられますが、何のための施設だったのかは今も謎のまま。

煮炊きに使う炉は見つかっていないので、住居だった可能性はありません。
さらに墓坑もないので、墓地という可能性も否定されます。

大湯遺跡(秋田県)のストーンサークルは、冬至、夏至などの太陽の沈む位置と関係しているともいわれますが、そうした可能性を考える研究者もいますが、まだ決め手はありません。

石川県、富山県など北陸の縄文遺跡20ヶ所ほどから出土した環状木柱列(ウッドサークル)、精神風土を共有する縄文人が暮らしていたという証にもなっています(確実に環状木柱列と認定できる遺跡は数ヶ所)。

現在の環状木柱列は、当然ですが復元したものです。

真脇遺跡・環状木柱列
「謎の環状木柱列」(ウッドサークル)のある遺跡、真脇遺跡
名称真脇遺跡/まわきいせき
所在地石川県鳳珠郡能登町真脇地内
関連HP真脇遺跡縄文館公式ホームページ
電車・バスでのと鉄道穴水駅から北鉄バスで1時間、真脇下車、徒歩5分
ドライブで能越自動車道のと里山空港ICから約33km
駐車場40台/無料
問い合わせ真脇遺跡縄文館 TEL:0768-62-4800/FAX:0768-62-4172
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
真脇遺跡

真脇遺跡

石川県鳳珠郡能登町にある縄文時代の集落遺跡が真脇遺跡。真脇遺跡は縄文時代の前期初頭(6000年前)から晩期終末(2300年前)までの、実に4000年間も長期定住生活が続いた貴重な遺跡で国の史跡。出土した遺物のうち、保存状態の良好な219点が

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