山口県熊毛郡平生町(ひらおちょう)、山口県道23号(光上関線)沿い、室津半島西岸、瀬戸内海近くにあるのが、白鳥古墳(しらとりこふん)。墳丘長120mの前方後円墳で、山口県では最大の古墳。古墳時代中期、5世紀前半の築造と推定され、後円部の墳丘上には白鳥神社が鎮座しています。
墳丘長120m、山口県最大の古墳
瀬戸内海に細長く突き出した室津半島の付け根に位置する平生町ですが、佐賀地区にある岩田遺跡(縄文時代中期、山口県の史跡)からは、土器や石器、さらには九州や関西、中国大陸との交流を示す品も出土し、海上交通の拠点だったことが判明しています。
前方部幅62m、後円部直径64m、高さ8mの前方後円墳で、海に延びた舌状丘陵に築かれています。
江戸時代、白鳥神社の社殿を建築する際、後円部の竪穴式石室から、鏡、玉や鉄斧などの鉄製品、巴形銅器などが出土しています。
日本製青銅鏡である四神四獣鏡1面と二神二獣鏡1面も出土していますが、畿内のヤマト王権から配布された鏡と推測されています。
墳丘は葺石で覆われ、テラスには円筒埴輪、家形、盾形の埴輪が並べられていました。
瀬戸内海西部の海上交通を支配した大豪族の墓で、ヤマト王権とも密接な関係にあったことがわかります。
4世紀~5世紀頃、ヤマト王権による統一国家化が進展し、現在の山口県内には6つの国造(くにのみやつこ)と1つの県(あがた)が置かれていましたが、熊毛郡は周芳(すわ)国造の支配下にありました。
そのため、熊毛の王であった周芳国造の墓だとも推測できます。
山口県の古墳は、墳丘長80mの柳井茶臼山古墳(柳井市柳井)、墳丘長75mの仁馬山古墳(下関市延行)が続きますが、100mを超える巨大な古墳は、この白鳥古墳のみとなっています。
平生町内には20代女性の人骨が出土した神花山古墳(じんがやまこふん)がありますが、墳丘長は墳丘長30.3mです(5世紀前半にシャーマン的力をもってこの地を納めていた若き女王の墓と推測されています)。
白鳥古墳 | |
名称 | 白鳥古墳/しらとりこふん |
所在地 | 山口県熊毛郡平生町佐賀森ノ下上 |
関連HP | 平生町公式ホームページ |
ドライブで | 山陽自動車道玖珂ICから約38km |
駐車場 | あり/無料 |
問い合わせ | 教育委員会 社会教育課 TEL:0820-56-6083/FAX:0820-56-7151 |
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