山口県長門市、北長門海岸国定公園の中央にある周囲40kmの島が青海島。海上アルプスと称される海岸美が有名ですが、その西端部にそびえる高山(319.7m)の山頂にある第二次世界大戦の戦争遺構が、高山防空監視哨跡。円形の見張り部屋を持つ2階構造の監視哨で頑強なコンクルート造りで、往時の姿を留めています。
戦時中は、青年学校の生徒が交代制で24時間監視
第二次世界大戦に際し、陸軍は山口県や島根県の日本海沿いに防空監視哨を設置していますが、そのひとつが高山防空監視哨。
陸軍の命令で、地元の青年学校(尋常小学校卒業後、中学に進まず自営や就職した青少年に社会教育を行なった教育機関、12歳〜19歳)の生徒達がブロックなど資材を運び積み上げて造られたもの。
敵戦闘機が飛来してきた際にはここから光を照射し動きを追う施設で、設置後も、在郷軍人などが哨長として指揮し、青年学校の生徒が交代制で24時間監視していました。
日露戦争時にはこの高山にバルチック艦隊の襲来に備え見張りを置き、有線電話を通して作戦本部に連絡できる態勢をとっていました。
南側山腹の「青海島 高山オートキャンプ場」までは高山林道が通じており、キャンプ場から徒歩20分ほどで到達できます。
高山防空監視哨跡のある高山山頂からの眺望も監視哨あっただけあって、実に見事です。
高山防空監視哨跡 | |
名称 | 高山防空監視哨跡/こうやまぼうくうかんししょう |
所在地 | 山口県長門市仙崎青海島 |
ドライブで | 中国自動車道美祢ICから約34km |
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