山形県天童市にある和銅元年(708年)、行基開山と伝える古刹が若松寺(じゃくしょうじ/若松観音)。貞観2年(860年)、山寺を建立した円仁(慈覚大師)が山頂の堂を現在の地に移し、 伽藍を整備したと伝えられています。本尊は行基自刻と伝わる聖観世音菩薩で、最上三十三観音の第1番。
東北に珍しい密教本堂は、国の重要文化財
若松寺観音堂は、東北地方には数少ない密教本堂で、国の重要文化財。
内陣に安置される金銅聖観音像懸仏と板絵著色神馬図も国の重要文化財。
本尊の聖観世音菩薩は秘仏で、12年に一度、子年(ねずみどし)に御開帳となります。
祈願所、元三大師堂、地蔵堂、鐘楼堂などの堂宇が建ち並び、30分ほど歩いた山頂からは月山まで眺望します。
若松観音は、縁結びの観音として知られ、4月~12月の毎月第1日曜の10:00~『縁結び祈願祭』で住職・氏家榮脩(うじいええいしゅう)さんの法話もあります。
中央大学を卒業し、広告代理店の営業マンだったという氏家住職、平成19年に仙台市から来たOLに請われて握手し、記念撮影を撮ったところ、1ヶ月後に結婚することが決まり、それが口コミで広まって、『縁結び祈願祭』は握手会になるまでに住職の握手パワーが有名に。
今では握手するだけで相手のご縁の力を判断できるほどになったとか。
「奈良時代に、行基菩薩が、この地に湧く霊気を感じ取ってお堂を建てた場所。縁を呼び起こす力のある場所なんです。ぜひご参詣を」(氏家住職)。
『花笠音頭』の「若松様♫」は若松寺のこと!?
『花笠音頭』の中で、「めでた めでたの 若松様よ」という歌詞の若松様は、この若松寺のことともいわれ、境内には歌碑も立っています。
大正8年、尾花沢市の灌漑用水確保のため徳良湖築堤工事が行なわれ、その際に唄われた土搗き唄が『花笠音頭』の発祥で、正調『花笠音頭』の出だしは、「揃ろた揃ろたよ 笠踊り揃ろた」で「めでた めでたの 若松様よ」ではありません。
実は正調『伊勢音頭』に「目出度目出度の 若松様よ 枝も栄えて 葉も茂る」という歌詞があり、これが、参詣者が博多に伝え、博多祇園山笠の『博多祝い唄(祝いめでた)』にある「祝い目出度の若松様よ」となり、出羽に伝わり「めでた めでたの 若松様よ」となったと推測されるのです(伊勢三宮の客が川崎や古市に宿泊し、芸妓などからこの唄を覚えて伊勢土産として全国各地に持ち帰ったことから全国に伝播)。
若松様は、文字通り枝葉も茂る若い松ということですが、出羽では若松寺と掛けているのかもしれません。
若松寺(若松観音) | |
名称 | 若松寺(若松観音)/じゃくしょうじ(わかまつかんのん) |
所在地 | 山形県天童市山元2205-1 |
関連HP | 若松寺(若松観音)公式ホームページ |
電車・バスで | JR天童駅からタクシーで15分 |
ドライブで | 東北中央自動車道天童ICから約8km |
駐車場 | 15台/無料 |
問い合わせ | 若松寺 TEL:023-653-4138 FAX:023-653-2700 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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