うっそうとした青木ヶ原樹海(山梨県鳴沢村)のなかに位置する、全長201mの溶岩洞穴。貞観6年(864年)、富士山の側火山・長尾山の爆発の際に流出した溶岩流で誕生した横穴式の洞穴で、内部の気温が一定しているため、明治時代までは蚕(かいこ)の越冬に使われていました。内部は照明、見学通路も完備され、快適に探勝できます。
氷柱と溶岩柵(ロール状溶岩)がみどころ
溶岩洞穴とは溶岩流が造り出した洞穴のこと。
富士山の山麓には無数の溶岩洞穴があり、とくに青木ヶ原樹海には数多いのが特長。
溶岩洞穴のうち富岳風穴と、鳴沢氷穴は富士急系の施設で、もっとも探勝しやすい観光洞となっています。
所要15分の見学コースでは、夏でも溶けない氷柱や、溶岩棚、縄状溶岩が見学できますが、みどころは、氷柱と溶岩柵(ロール状溶岩)。
内部は玄武岩質のため音が反響しないという特性も。
また雨天時に入洞の際には、傘を持参するのが賢明です。
入口には森の駅「風穴」も営業し、ジャンパー、雨具なども販売され、フードコーナーでは富士宮やきそば、吉田のうどんを味わうことも可能。
またオリジナルの「とうもろこしパフェ」、「とうもろこしソフトクリーム」も人気です。
富岳風穴(横穴)、鳴沢氷穴(縦穴)の違いに注目
富士山の山腹にある側火山などの噴火により、山麓には何度も溶岩流が流出していますが、固まりかけた溶岩の内側からまだ固まらない溶岩が抜け出したものが溶岩トンネル。
富岳風穴、鳴沢氷穴、西湖蝙蝠穴はこの溶岩トンネルといわれるもの。
富岳風穴は横穴なのに対して、近くにある鳴沢氷穴は縦穴。
同じ溶岩トンネルでもこの違いは、空間のでき方の違い。
富岳風穴の横穴(フィーディングパイプ型溶岩洞穴)は、流れ出る溶岩流の空気に触れる部分が内部より先に冷えて固まりますが、内部(下部)の溶岩流はそのまま流れ続け、その際に上部と内部との間に隙間(空洞)が生まれたもの。
人間が掘ったトンネルのように床面が平坦なのが特徴で、溶岩洞穴の側壁が剥がれ落ちて棚のような形となった「溶岩棚」などが観察できます。
逆に縦穴(ショーレンドーム型溶岩洞穴)の鳴沢氷穴は、山麓に生育した巨木などが溶岩流に飲み込まれ、冷めて溶岩が収縮する際、内部の高熱のガス体や溶岩が噴き出すことで生まれた隙間(空洞)です。
富岳風穴と鳴沢氷穴は東海自然歩道(樹海コース)で結ばれています。
片道30分、往復1時間ですが、樹海内を歩くことができる貴重な探勝路なので、ぜひ往復して横穴、縦穴の違いをマスターを。
氷穴〜風穴は路線バス(富士急行バス)の利用も可能です(所要1分)。
富岳風穴 | |
名称 | 富岳風穴/ふがくふうけつ |
所在地 | 山梨県南都留郡鳴沢村鳴沢 |
関連HP | 富岳風穴・鳴沢氷穴公式ホームページ |
電車・バスで | 富士急行線河口湖駅から富士急行バス本栖湖方面行きで28分、風穴下車、徒歩5分 |
ドライブで | 中央自動車道河口湖ICから約17km |
駐車場 | 風穴駐車場(150台/無料) |
問い合わせ | 富岳風穴 TEL:0555-85-2300 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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