常念岳「万能鍬」雪形

常念岳「万能鍬」雪形

春の農作業の開始時期を里人に告げる雪形。北アルプスでは白馬岳の山名の由来となった代掻き馬(しろかきうま=代馬)が有名ですが、常念岳(2857m/長野県安曇野市・松本市)では、前常念岳南側の谷に5月中旬〜5月下旬に雪渓となって万能鍬(ばんのうくわ)が現れるます。

万能鍬が現れれば、田植えもOK!

常念岳では、常念坊の雪形が有名ですが、常念坊は、例年、4月中旬〜5月初旬に出現と、田植えには少し早い時期。

例年、少し水が温む、5月初旬(GW)〜5月中旬に安曇野(JAあづみ管内の)が田植えの時期です(早生は4月中旬に田植えという場合もありますが)。
万能鍬は先が三本鍬、四本鍬、五本鍬など先が分かれ、耕作地の整地、根菜類の収穫などに使われる鍬。
谷の残雪が四本鍬、五本鍬の鍬先を表し、まさに代掻き馬(代馬岳→白馬岳)同様に、農業開始を伝える雪形です。

ちなみに、常念坊は、黒い岩肌の形で作られる「ネガ型」の雪形、万能鍬は、白い残雪で作られる「ポジ型」の雪形。
安曇野では、「ネガ型」、「ポジ型」とスタイルを変えながら、常念坊が農作業の準備を告げ、田植えの時期に万能鍬が現れるのです。

常念岳
名称 常念岳/じょうねんだけ
所在地 長野県松本市安曇上高地
関連HP 安曇野市公式ホームページ
問い合わせ 安曇野市観光交流促進課 TEL:0263-71-2000/FAX:0263-72-1340
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
富士山「農鳥」雪形

富士山「農鳥」雪形

春の農作業開始の目安にしたという雪形。北アルプス白馬岳の代掻き馬(しろかきうま→代馬→白馬)が有名ですが、富士山にも農鳥(のうとり)といわれるまさに農業の目安になる鳥が現れます。例年、5月中旬頃、富士山の山梨県富士吉田側から視認でき、例年、

白馬岳「代掻き馬」(代馬)の雪形

白馬岳「代掻き馬」の雪形

北アルプスの名峰・白馬岳(しろうまだけ/2932.5m)。標高こそ3000mに満たないものの、冬場の厳しい気候などを反映して白馬大雪渓などの雪渓が多く、アルピニスト憧れの山のひとつに。その白馬岳の「白馬」という名の由来になったのが、山頂の横

五竜岳「武田菱」の雪形

五竜岳「武田菱」の雪形

北アルプス、後立山連峰(うしろたてやまれんぽう)の五竜岳。遠見尾根には白馬五竜テレキャビンが架かっていますが、その五竜岳の山頂に4月上旬から5月中旬と比較的に長い期間現れるのが「武田菱」の雪形。「武田菱」とは、菱形四つを菱形に組み合わせた、

妙高・跳ね馬

妙高山「跳ね馬」の雪形

雪形(ゆきがた)とは、春に山腹に残雪と黒い岩肌とのコントラストで、鳥や馬の形が現れ、農耕開始の指針にするもの。駒ヶ岳、蝶ヶ岳、農鳥岳などの山名はこの雪形に由来するものがほとんど。妙高山では、妙高市側から眺める「跳ね馬」が有名で、例年、4月中

蝶ヶ岳「蝶」雪形

蝶ヶ岳「蝶」雪形

北アルプスで有名な雪形が白馬岳の代掻き馬と蝶ヶ岳(長野県安曇野市、松本市)の蝶の雪形。ともに山名の由来となった雪形です。蝶ヶ岳は常念岳から南に連なる2677mのピークで、蝶の雪形の雪渓の雪解け水は蝶沢となって本沢(烏川)になっています。初夏

常念岳「常念坊」雪形

常念岳「常念坊」雪形

白馬岳、蝶ヶ岳など、北アルプスには雪形が山名になっているものがありますが、安曇野から眺めるピラミッド型の山容が印象的な常念岳(2857m/長野県安曇野市・松本市)もその派生。春先に前常念岳(2661.9m/安曇野市)の東面に常念坊が現れます

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

ABOUTこの記事をかいた人。

アバター画像

日本全国を駆け巡るプレスマンユニオン編集部。I did it,and you can tooを合い言葉に、皆さんの代表として取材。ユーザー代表の気持ちと、記者目線での取材成果を、記事中にたっぷりと活かしています。取材先でプレスマンユニオン取材班を見かけたら、ぜひ声をかけてください!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ