富士山「農鳥」雪形

富士山「農鳥」雪形

春の農作業開始の目安にしたという雪形。北アルプス白馬岳の代掻き馬(しろかきうま→代馬→白馬)が有名ですが、富士山にも農鳥(のうとり)といわれるまさに農業の目安になる鳥が現れます。例年、5月中旬頃、富士山の山梨県富士吉田側から視認でき、例年、富士吉田市が農鳥の出現を発表しています。

富士山8合目付近に農鳥が出現

富士山「農鳥」雪形

農鳥の雪形といえば、登山家の間では、南アルプス・白峰三山(しらねさんざん)の農鳥岳が有名。
甲府盆地からそれを眺め、農業の目安にしたというものです。
江戸時代後期の『隔掻録』には、「四五月ノ山上ノ雪消ル時 遠望スレバ 牛ノ形二消ノコリ或ハ鳥ノ形二残ル 是ヲ農牛、農鳥ト云」と富士山の農牛、農鳥の雪形が記されているので、近年、観光的に見い出されたものではないことが明らかです。

富士吉田では例年5月下旬頃に田植えが本格化するので、「農鳥が出現したら田植えの準備」という昔からの言い伝えは的を得た指針であることがよくわかります。
ただし、風の強い厳冬期(おもに1月)、かぜで雪が飛ばされ、まれに農鳥が出現してしまうこともあるのだとか。
「異常に早く農鳥が出現する年は凶作」という言い伝えもあり、残雪の少なさと水不足、暖冬の年に冷夏というような因果関係を見抜いていたのかもしれません。

富士山にはこのほか舞鶴、登り竜が知られています。
ちなみに、雪形には残雪が形を表す「ポジ型」と、雪解け後に岩など黒く形を表す「ネガ型」があり、富士山の農鳥は「ポジ型」です。

富士山
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白馬岳「代掻き馬」(代馬)の雪形

白馬岳「代掻き馬」の雪形

北アルプスの名峰・白馬岳(しろうまだけ/2932.5m)。標高こそ3000mに満たないものの、冬場の厳しい気候などを反映して白馬大雪渓などの雪渓が多く、アルピニスト憧れの山のひとつに。その白馬岳の「白馬」という名の由来になったのが、山頂の横

五竜岳「武田菱」の雪形

五竜岳「武田菱」の雪形

北アルプス、後立山連峰(うしろたてやまれんぽう)の五竜岳。遠見尾根には白馬五竜テレキャビンが架かっていますが、その五竜岳の山頂に4月上旬から5月中旬と比較的に長い期間現れるのが「武田菱」の雪形。「武田菱」とは、菱形四つを菱形に組み合わせた、

妙高・跳ね馬

妙高山「跳ね馬」の雪形

雪形(ゆきがた)とは、春に山腹に残雪と黒い岩肌とのコントラストで、鳥や馬の形が現れ、農耕開始の指針にするもの。駒ヶ岳、蝶ヶ岳、農鳥岳などの山名はこの雪形に由来するものがほとんど。妙高山では、妙高市側から眺める「跳ね馬」が有名で、例年、4月中

常念岳「万能鍬」雪形

常念岳「万能鍬」雪形

春の農作業の開始時期を里人に告げる雪形。北アルプスでは白馬岳の山名の由来となった代掻き馬(しろかきうま=代馬)が有名ですが、常念岳(2857m/長野県安曇野市・松本市)では、前常念岳南側の谷に5月中旬〜5月下旬に雪渓となって万能鍬(ばんのう

常念岳「常念坊」雪形

常念岳「常念坊」雪形

白馬岳、蝶ヶ岳など、北アルプスには雪形が山名になっているものがありますが、安曇野から眺めるピラミッド型の山容が印象的な常念岳(2857m/長野県安曇野市・松本市)もその派生。春先に前常念岳(2661.9m/安曇野市)の東面に常念坊が現れます

蝶ヶ岳「蝶」雪形

蝶ヶ岳「蝶」雪形

北アルプスで有名な雪形が白馬岳の代掻き馬と蝶ヶ岳(長野県安曇野市、松本市)の蝶の雪形。ともに山名の由来となった雪形です。蝶ヶ岳は常念岳から南に連なる2677mのピークで、蝶の雪形の雪渓の雪解け水は蝶沢となって本沢(烏川)になっています。初夏

 

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日本全国を駆け巡るプレスマンユニオン編集部。I did it,and you can tooを合い言葉に、皆さんの代表として取材。ユーザー代表の気持ちと、記者目線での取材成果を、記事中にたっぷりと活かしています。取材先でプレスマンユニオン取材班を見かけたら、ぜひ声をかけてください!

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