新潟県阿賀野市保田の山間にある立石山神社。奥の院の背後に高さ8mの「山神石」(立石)がありこれが御神体という巨石信仰をルーツにする社です。その境内に奉納されているのが数十体もの人面石。まさに謎の人面石ともいえる石があるのです。訪れる人も稀なまさに新潟の超不思議スポットになっています。
近世までは修験の地で雨乞いも行なわれた地

明治初年の神仏分離までは、知恵の神様として知られる虚空蔵菩薩(こくぞうぼさつ)を祀る神仏習合の地で、東側には胎内くぐりの岩もあることから修験の地だったと推測されています。
「山神石」と称される立石(流紋岩の奇岩)があるのは標高240mほどの山の頂。
永禄7年(1564年)の旱魃(かんばつ)の際、山中の水を汲み「山神石」にかけたのが信仰の始まりとも。
宝永元年(1704年)の大旱魃の際、修験者の明学院清永が雨乞池の水を立石にかけて2夜3日にわたって祈祷を続けたところ、霊験があって雨が降ったと伝えられています。
村では宝永3年(1706年)、堂を建立し、立石本地虚空蔵としたのです。
本地とは神仏習合の際の、実際の仏のことを指す言葉(仏が仮に神となって現れるという考えです)。
明治初年の神仏分離で本地仏である虚空蔵菩薩を廃し、大山祇大神を祀り、立石神社と改称しています。
巨岩「山神石」は流紋岩で阿賀野市の天然記念物に指定。
奥の院までは神社脇から山道が続いていますが、熊も出没するので十分な注意が必要。
立石神社までは林道を走りますが、幅員が狭いので運転には十分な注意が必要。
さてさて、神社周辺に奉納された不思議な人面石。
地元の河原石を加工したもので、風化が進んだものもありますが、阿賀野市によれば、昭和40年〜昭和60年頃、地元の人が遊び心で始めたものなのだとか。
合併前の安田町の時の安田財産区議会議員・波多野透さんが、自宅で趣味のアートとして制作していたものを、当時の神官が友人だったことから立石山神社に奉納したというのが真相です。
実際に石の中には1979という年号が刻まれたものもあり、残念ながらこの地で江戸時代まで盛んだった修験道(修験道の聖地が阿賀野市・五頭山)とは関係のないことが判明します。
奉納から50年近く経って、SNSで注目される立石山神社の人面石。
近くには日本屈指のラジウム含有量を誇る五頭温泉郷もあるので、奇観・珍百景好きの人なら一度ぜひお立ち寄りを。

| 「謎の人面石」が多数奉納される! 立石山神社 | |
| 名称 | 立石山神社/たていしやまじんじゃ |
| 所在地 | 新潟県阿賀野市保田 |
| ドライブで | 磐越自動車道安田ICから約6km |
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