愛媛県西条市・久万高原町、標高1982m(天狗岳)と四国はもちろん、西日本の最高峰が、石鎚山(いしづちさん)。飛鳥時代の天武天皇14年(685年)、修験道の開祖・役小角(えんのおづぬ)が修行の末、開山したと伝わり、富士山などとともに日本七霊山に数えられる霊峰です。
成就社から、土小屋から山頂を目指して登山を
役小角が石鈇山蔵王権現(いしづちさんざおうごんげん)を感得したことで始まるという山岳信仰の霊峰で、明治初年の神仏分離以降は、石鎚神社となり、山麓の西条市西田に鎮座する石鎚神社が本社、成就社が中宮、頂上社を奥宮としています。
中宮が成就社と呼ばれるのは、役小角が修行し、石鈇山蔵王権現を感得し、下山の際に、この地で山頂を振り返り「わが願い成就せり」と語ったことから。
石鎚山中腹(7合目)、石鎚登山ロープウェイを下車し、徒歩25分ほどの場所に建つ成就社から上部が霊域となるのです。
古くから女人禁制、修験の霊山として信仰され、江戸時代には講中が組織されましたが、今では男女を問わず、年間通じて多くの登山者を集めています。
なかでも、毎年7月1~10日の「お山開き」に全国各地から白装束に身を固めた多くの信者が訪れ、明治初年の神仏分離、廃仏毀釈でやや廃れた宗教登山の復興を感じ取ることができます。
登山ルートは複数ありますが、石鎚スカイライン開通後は、南東側の土小屋側からの登山客が増加。
土小屋近くには、国民宿舎石鎚があり、登山基地としても最適です。
土小屋からは2時間15分ほどで山頂に到達できます(ただし天候が変わりやすいので、しっかりとした登山装備が必要/二ノ鎖と三ノ鎖の2つの鎖場がありますが迂回路が用意されています)。
北側では往時の登拝道が利用できますが、現在では石鎚登山ロープウェイ、さらにリフトを乗り継げば標高1400mの成就社までは、徒歩10分。
さらに八丁坂を登りきり、一の鎖、二の鎖、三の鎖をクリアすれば石鎚神社・頂上社(奥宮)。
3時間ほど要し、天候の急変もあるので、しっかりとした装備でのチャレンジが必要です。
7月1日〜 7月10日の『石鎚山・お山開き大祭(石鎚神社夏季大祭)』で、登拝の受付所となるのが成就社(中宮)と、石鎚スカイライン終点の土小屋遥拝殿。
石鎚山の女人禁制は昭和22年に解禁され、当初は山開き中の6日目からでしたが、以後緩められて3日間になり、さらに昭和57年からは7月1日のみ女人禁制に短縮されています。
山頂にある山小屋「頂上山荘」も石鎚神社の経営(石鎚神社会館が運営)で、頂上社(奥宮)の神職も、この「頂上山荘」に寝泊まりしています。
男女混合の相部屋で、個室はありません。
食堂、売店も営業。
石鎚山 | |
名称 | 石鎚山/いしづちさん |
所在地 | 愛媛県上浮穴郡久万高原町若山 |
ドライブで | 松山自動車道松山自動車道いよ小松ICから約22km、いよ西条ICから約29kmで温泉旅館京屋駐車場 |
駐車場 | 温泉旅館京屋駐車場(500台/有料)、または、土小屋駐車場(50台/無料)を利用 |
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