愛知県刈谷市井ヶ谷町にある広さ2haの農業用溜池が小堤西池。刈谷市から知多半島にかけての丘陵地帯は溜池の集中する場所ですが、小堤西池はカキツバタが自生し、「小堤西池のカキツバタ群落」として国の天然記念物に指定。さらに「日本三大カキツバタ自生地」にも数えられています。
例年の見頃は5月中旬〜下旬
「小堤西池のカキツバタ群落」は、「大田ノ沢のかきつばた群落」(京都府京都市北区上賀茂、大田神社境内)、「唐川のカキツバタ群落」(鳥取県岩美町、唐川湿原)と並び、日本三大カキツバタ自生地のひとつ。
カキツバタ群落としては日本で最大規模となっています。
一帯5.83haは、小堤西池自然環境保全地域に指定され、昭和51年に地元の有志によって結成された「小堤西池のカキツバタを守る会」によって、必要最小限の除草(毎年9月に除草作業)などの保護活動が行なわれています。
「肥料を与えていないので、栽培のカキツバタに比べ、背が低く、株ごとに、花の色や大きさ、開花時期にばらつきがあるのが特徴」とのこと。
例年の見頃は5月中旬〜下旬。
カキツバタの開花時期にはマイカーの乗り入れが禁止されるので、洲原公園第2駐車場に駐めて遊歩道で徒歩10分。
カキツバタは愛知県の「県の花」、刈谷市、知立市の「市の花」
『伊勢物語』で在原業平が「から衣 きつつなれにし つましあれば はるばる来ぬる たびをしぞ思ふ」(各句の初めをつなぐと「かきつはた」になる「折句」)と詠んだ「カキツバタの歌」(9段東下り)は三河国八橋(現・知立市八橋、無量寿寺周辺)が舞台とされています。
江戸時代後半からの花菖蒲のブームで(今も全国に花菖蒲が植栽されています)、カキツバタに注目する人は少なくなりましたが、愛知県の花、知立市と刈谷市の市の花となっているのがこのカキツバタです。
環境省レッドデータブックでは準絶滅危惧(NT)とされ、小堤西池のカキツバタは、遺伝的多様性があり、環境の変化にも耐えて現存しているものだと推測できます。
小堤西池(小堤西池のカキツバタ群落) | |
名称 | 小堤西池(小堤西池のカキツバタ群落)/こづつみにしいけ(こづつみにしいけのかきつばたぐんらく) |
所在地 | 愛知県刈谷市井ケ谷町小堤西1 |
関連HP | 刈谷市公式ホームページ |
電車・バスで | 名鉄知立駅から名鉄バスイオンモール三好店アイモール前、または、日進駅行きで上ノ郷下車、徒歩10分 |
ドライブで | 伊勢湾岸自動車道豊明IC・豊田南ICから約5km |
駐車場 | 洲原公園駐車場(529台/無料)を利用 |
問い合わせ | 刈谷市文化観光課 TEL:0566-62-1037/FAX:0566-27-9652 |
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