愛知県名古屋市守山区にある志段味古墳群(しだみこふんぐん)を形成する前方後円墳が白鳥塚古墳(しらとりづかこふん)。墳丘長は、115mで、断夫山古墳(だんぷさんこふん/151m・名古屋市)、青塚古墳(123m・犬山市、青塚古墳史跡公園)に次ぎ、愛知県では3番目の大きさの古墳となっています。
石英で白く輝いていた外観がその名の由来
志段味古墳群のうち、国の史跡に指定される7基のひとつで、庄内川の河岸段丘の縁辺を活かして築かれた前方後円墳で、築造は4世紀前半(古墳時代前期)。
愛知県内の古墳で100mを超えるのは、この白鳥塚古墳を含めて3基しかありません(すべて旧尾張国)。
後円部の頂部の角礫による葺石に石英が多く混在、つまり墳丘に石英をまいたため白く輝き、白鳥塚と呼ばれるようになったといわれています。
日本武尊(やまとたけるのみこと)が伊吹山に荒ぶる神を鎮めに出かけた際、ヘビに足をかまれ、白鳥の導きで東谷山へと辿り着き、その白鳥を葬った地との伝承もあります(『東春日井郡誌』)。
これは古墳の東、東谷山の山頂、尾張戸神社古墳(国の史跡)に鎮座する尾張戸神社が、日本武尊の妻となった宮簀媛(みやづひめ)の創建という伝承にも結びつきます。
白鳥塚古墳も初代の尾張国造(おわりのくにのみやつこ)・乎止与命(おとよのみこと)の墳墓ではないかと推測されています。
一帯は、「歴史の里 しだみ古墳群」として整備され、ビジターセンターとして「体感!しだみ古墳群ミュージアム」が用意されています。
志段味古墳群は、66基が確認され、うち33基が現存。
古墳の出現から終末に至る歴史的な経過をたどることができる古墳群として注目されています。
ちなみに愛知県内で古墳が最も多いのは、豊橋市(750基)で、数でいえば圧倒的に尾張より三河のほうが古墳は多数残されています。
ただし、大型の古墳になると、かつての尾張国、名古屋市、春日井市、犬山市に集中しています。
愛知県内第4位は、守山白山古墳(名古屋市守山区/98m)、同率5位が墳丘長95mの船山1号墳(豊川市/三河国最大)と正法寺古墳(西尾市/三河国最大)、そして妙感寺古墳(犬山市)です。
白鳥塚古墳 | |
名称 | 白鳥塚古墳/しらとりづかこふん |
所在地 | 愛知県名古屋市守山区上志段味東谷2107 |
関連HP | 名古屋市公式ホームページ |
電車・バスで | JR高蔵寺駅から徒歩15分 |
ドライブで | 東名高速道路守山スマートICから約4km、春日井ICから約6km |
駐車場 | 6台/無料 |
問い合わせ | 名古屋市教育委員会事務局生涯学習部文化財保護室 TEL:052-972-3268/FAX:052-972-4202 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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