飛良泉本舗

飛良泉本舗

秋田県にかほ市にある酒処・秋田県でも最古の歴史を誇る酒蔵が飛良泉本舗。室町時代の長享元年(1487年)創業で、日本でも3番目くらいに古い歴史を誇っています。酒造りは一貫して山廃仕込みで、仕込水には仁賀保家拝領の井戸に湧く、鳥海山の伏流水を使用。個性際だつ辛口の酒として有名です。

秋田最古、日本でも三番目に古い酒蔵

まだ農民的性格が強かった中世、武士団が開墾した名残りを地名にとどめる旧仁賀保町。
藩政時代には酒田街道沿いの城下町平沢が、北前船の寄港地として栄えました。
その港からすぐにあるのが、飛良泉本舗。

室町時代の長享元年(1487年)、創業で、秋田最古の蔵元として知られていますが、その前身は廻船問屋。
初代は泉州堺(泉佐野市あたり)の出身で、屋号を「和泉屋」と称したのもそのため。
実は明治時代以前は、日本海側が日本の物流の大動脈で、そうしたことから泉州堺から、物流の拠点だった仁賀保の塩越湊に着目したのだと推測できます。

仁賀保の米と水に着目し、副業として酒造りを始めたのは2代目から。
飛良泉の名は、「平沢」の「和泉屋」に由来し、江戸時代後期、藩御用絵師・増田九木が良寛へ宛てた手紙の「飛び切り良い、白い水」で飛良泉というトンチにもなっているのです。


また酒造好適米にも早くから力を注目し、大潟村の契約農家が栽培した無農薬の美山錦使用の酒も販売しています。
「飛良泉の特徴は、秋田の酒の中でも酸味が強いこと。酒母を山廃仕込みで作ることが主流です」と杜氏・遠田嘉人(えんだよしと)さんは解説。
鳥海山系伏流水の硬水を仕込水としていますが、この水が山廃にも適した水なんだとか。

酒蔵の見学は不可ですが、敷地内には文化11年(1828年)築造の土蔵の扉も残されています。

こだわりの商品には、山廃純米酒(特別純米酒)、山田錦を40%まで磨いた純米吟醸酒、山廃純米酒長享(ちょうきょう)、山廃本醸造(特別本醸造)、大吟醸室町蔵、大吟醸欅蔵などがあります。

公式ホームページにはオンラインショップもあり、お気に入りの酒の購入も可能。

飛良泉本舗には、廻船問屋時代の取引状況を記した貴重な資料も現存し、日本遺産「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間 ~北前船寄港地・船主集落~」の構成資産にもなっています。

ちなみに日本最古の歴史を誇る酒蔵は、須藤本家(茨城県笠間市)で、永治元年(1141年)創業。
2番目と目されるのが、剣菱酒造(神戸市東灘区)で、永正2年(1505年)。
飛良泉本舗は、2代目が酒蔵を開いたので、ひとまず3番目ということに。

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飛良泉本舗
名称 飛良泉本舗/ひらいずみほんぽ
所在地 秋田県にかほ市平沢中町59
関連HP 飛良泉本舗公式ホームページ
電車・バスで JR仁賀保駅から徒歩5分
ドライブで 日本海東北自動車道酒田みなとICから約45.9km。または、本荘ICから約19km
駐車場 2台/無料
問い合わせ 飛良泉本舗 TEL:0184-35-2031/FAX:0184-35-2030
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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