蚶満寺

象潟(きさかた)にある曹洞宗の寺、蚶満寺(かんまんじ)。853(仁寿3)年、円仁(慈覚大師)の開創と伝えられる古刹。1689(元禄2)年に『奥の細道』途中の芭蕉が、1784(天明4)年には菅江真澄が立ち寄っています。菅江真澄は、舟で島巡りを楽しみ、蚶満寺脇に上陸しています。江戸時代中期まではここが海岸だったのです。

芭蕉や菅江真澄も立ち寄った象潟の名刹

『奥の細道』当時の象潟は、松島のように九十九島を浮かべる風光明媚な景勝地でしたが、1804(文化元)年の大地震で干潟に変わり、今では陸地となっています。
陸地となった景観を命がけで守ったのが蚶満寺24世の全栄覚林。
陸地化した土地の新田の開拓を施策とした本荘藩に対して抵抗し、獄死しています。

境内に芭蕉像や「象潟や雨に西施(せいし)がねぶの花」の芭蕉句碑も立っています。
皇宮山という山号は、神功皇后が三韓征伐の帰路、時化(しけ)に遭って象潟に漂着し、死亡したという伝承から。

『奥の細道』と象潟

『奥の細道』で松尾芭蕉が到達した北限が蚶満寺のある九十九島。
芭蕉も晴れ間を待って舟を浮かべて島巡りを楽しんでいます。
「象潟や雨に西施がねぶの花」は、
雨に濡れる象潟のネムノキの花を見ていると、世にいう西施の美しさとはきっとこのようなものだったのかと思えてくる、の意。
西施は、中国四大美女のひとりで、その美貌で呉越の戦い(紀元前5世紀)の際に、国を滅ぼすことになったため、「傾国の美女」と呼ばれています。

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象潟夕日の宿 さんねむ温泉

鳥海山の秋田県側の入口、秋田県にかほ市、象潟駅から徒歩20分の地に建つ2015年4月にオープンした温泉ホテル。
全33室の客室は、ツイン、ファミリールーム(和洋室)、和室など7タイプあり、家族旅行にも絶好です。
源泉かけ流し(単純硫黄泉)の1階大浴場からは日本海、3階展望浴場から鳥海山を眺望。
夕食は日本海御膳などの会席料理、朝食は和定食です。

 象潟夕日の宿 さんねむ温泉
 象潟夕日の宿 さんねむ温泉
 象潟夕日の宿 さんねむ温泉

鳥海温泉 遊楽里

鳥海山の山形県側の入口、山形県遊佐町にある設備充実の公共の宿(温泉ホテル)。
和室(6畳、8畳、10畳)を中心に、ツイン、和洋室(4名利用可能)、特別室(6名まで利用可能)の4タイプあって、ファミリーにも対応しています。
温泉は茶褐色の塩化物泉で、24時間かけ流しで利用可能。
夕食は、庄内豚のしゃぶしゃぶプラン、アワビの踊り焼きプラン、カニのしゃぶしゃぶプランなどが自慢。
料金設定はかなりエコノミーです。
JR吹浦駅またはJR遊佐駅から送迎も可能。

鳥海温泉 遊楽里
鳥海温泉 遊楽里
鳥海温泉 遊楽里
蚶満寺
名称蚶満寺/かんまんじ
所在地秋田県にかほ市象潟町象潟島
関連HPにかほ市観光協会公式ホームページ
電車・バスでJR象潟駅から徒歩15分
ドライブで日本海東北自動車道本荘ICから約26.8km。または、酒田みなとICから約52.1km
駐車場30台/無料
問い合わせ蚶満寺 TEL:0184-43-3153
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

九十九島

江戸時代の俳人・松尾芭蕉が紀行文『奥の細道』に記した最北の地が、にかほ市象潟(きさかた)町の九十九島(くじゅうくしま)。かつて象潟周辺には、鳥海山の噴火による山体崩壊で日本海に流れ出た流山。のちにそれが入江となって、潟湖に大小の小島が浮かぶ

象潟温泉眺海の湯

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道の駅象潟ねむの丘

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