安の滝

森吉山(1454.2m)の南東麓、奥阿仁エリア最深部に位置する中ノ又渓谷。ブナの原生林が生い茂り、原始の自然をたたえた約8kmの渓谷に沿って、いくつもの名瀑が連続。新緑、紅葉と、変化に富んだ景観は、森林浴にも最適だ。なかでも中ノ又沢上流部に位置する安の滝(やすのたき)は、そのシンボル的存在で、「日本の滝百選」に選定。

ブナ林のなかに潜むダイナミックな飛瀑

打当川(うっとうがわ)の上流、中ノ又川に懸かる安の滝の滝名の由来は、江戸時代の享保年間(1716年〜1736年)、ヤスという17歳の娘が、鉱山の掟(鉱山では男女の仲は御法度)によって見崎金山(打当村十二段)の若者・久太郎との仲を引き裂かれ、断崖絶壁から滝に身を投げたという悲恋伝説から。

標高800mに位置する落差90mの滝は、上段60m、下段30mの2段構造になっており、両岸に迫り来る岩壁と瀑布が迫力満点。
安の滝登山口駐車場(駐車場までは5kmほど未舗装道路を走るため注意が必要)から滝までは、遊歩道をゆっくり歩いて所要50分。
さらに上段の滝の滝壺まではさらに徒歩15分。

つなみに打当川流域に点在する鳥取内、中村、打当集落がマタギの集落。
一帯は昭和57年公開の映画『マタギ』(監督:後藤俊夫、主演:西村晃)、昭和62年公開の映画『イタズ 熊』(監督:後藤俊夫、主演:田村高廣)のロケ地にもなっています。

同じ北秋田市阿仁には、立又渓谷(たちまたけいこく)に落差108mの幸兵衛滝(こうべえたき)も懸かっていますが、安の滝、幸兵衛滝ともにツキノワグマの棲息地なので、散策にあたっては鈴をつける、声を出すなど注意が必要。

安の滝
名称安の滝/やすのたき
所在地秋田県北秋田市阿仁打当菅谷地
関連HP北秋田市公式ホームページ
ドライブで秋田自動車道五城目八郎潟ICから約73km。または、東北自動車道盛岡ICから約99.4km
駐車場安の滝登山口駐車場(20台/無料)
問い合わせ北秋田市観光案内所 TEL:0186-62-1851
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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