秋田県鹿角郡小坂町にある食事処が日本料理 奈良岡屋で、異色ご当地ラーメンの「かつらーめん」発祥の店。昭和45年頃、『小坂七夕祭』の山車作りに携わる人々が注文していた裏メニューが、人気となって表メニューになったもの。卵とじにしたカツがラーメンにデンとのっています。
お客さんの要望で始まった「かつらーめん」
カツ丼の具が醤油ラーメンにのっかっているだけ、と考えますが、「食べてみると想像以上に美味しい」というのが初体験派の共通する感想。
普通のラーメンに少し値段を追加するだけという良心的な料金設定にも、「小坂かつらーめん」発祥のプライドを感じます。
もともとは、『小坂七夕祭』の山車作りに携わる人が、「ラーメンとカツ丼を一緒に食べたいんだけど、両方だと多いからラーメンにカツ丼の具を乗せてほしい」というリクエストから始まった裏メニュー。
小坂鉱山(平成2年閉山)で働いていた若者が、山車作りを担当していたため、お腹を満腹にしたいというリクエストだったのだとか。
現在、小坂町の町おこしで「かつらーめん」が数軒で味わえますが、ラーメンにトンカツをのせる、トンカツには地元の豚肉、桃豚または八幡平(はちまんたい)ポークを使うということ以外に制限はなく、各店で独自の発展を遂げているのだとか。
元祖の奈良岡屋では、シンプルに誕生当時と同じで「醤油ラーメンにカツ丼の具をのせるだけ」なんだとか。
ラーメンのスープは、煮干し、鶏ガラ、豚の背骨、ゲンコツ(膝関節の部分)、野菜でたんねんにとったもの。
隠し味は、夜の営業でメニューにのる、ハムの切れ端。
「かつらーめん」の具は、カツの卵とじだけでなく、チャーシュー、メンマ、ネギなども入り、まさにカツ丼とラーメンが合体し、ご飯を抜いただけのもの。
食べていくうちにだんだんと、カツの味がスープに滲み出して甘くなる、つまりスープの味の変化も楽しめる仕掛け。
カツがスープでふやける感じは、排骨麺(ぱいこーめん=台湾式とんかつラーメン)に似た感じで、まさに「想像を超える美味しさ」。
日本料理 奈良岡屋は、昼の営業でも丼ものなどのメニューも充実していて、目移りしますが、まずは「かつらーめん」にチャレンジを、ぜひ。
ちなみに、この「かつらーめん」、県を越えて青森県五戸町、十和田市、野辺地町までに伝搬し、「カツラーメン街道」と呼ばれるまでに拡大を続けています。
日本料理 奈良岡屋 | |
名称 | 日本料理 奈良岡屋/にほんりょうり ならおかや |
所在地 | 秋田県鹿角郡小坂町小坂鉱山栗平19-5 |
ドライブで | 東北自動車道小坂ICから約1.5km |
駐車場 | 6台/無料 |
問い合わせ | 日本料理 奈良岡屋 TEL:0186-29-2040 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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