キリストの墓(キリストの里)

キリストは密かに日本に逃れていたというキリスト伝説を伝える青森県新郷村。「キリストの里」と呼ばれる新郷村の戸来(へらい)地区にあるのがキリストの墓です。戸来(Herai)はヘブライ(Hebraea)の変ともいわれ、この地には不思議とユダヤにゆかりのあるような風習や習慣が数多く残されているのです。

「ナニャドヤラ踊」という不思議な踊りが伝承

6月第1日曜に行なわれる『キリスト祭』
これが何やら不思議な「ナニャドヤラ踊」

実は、日本にはモーゼの墓(石川県)、楊貴妃の墓(山口県)など不思議な伝承の残される地がありますが、新郷村戸来の「キリストの里」に残る「キリストの墓」もそのひとつです。

昭和39年からは、毎年6月第1日曜10:00~11:30には『キリスト祭』も行なわれています。
キリストの慰霊祭ということですが、神事(祝詞奏上)、玉串奉奠、奉納舞「田中獅子舞」、「ナニャドヤラ踊」と続いてまさに神式。

「ナニャドヤラ踊」というのは、「ナニヤドヤラヨウ、ナニヤドナサレデサァエ……」という意味不明の言葉を発しながら踊る伝承の踊り。

一見すると浴衣で踊る盆踊りといった風情ですが、地元では「ヘブライ語の進軍歌」といわれています。

実はこの踊り、青森県南部から岩手県北部に広域に伝わる「日本最古の盆踊り」ともいわれる踊りで、民俗学者の柳田國男も当然、「ナニャドヤラ踊」には興味を示し「どうなりともなさるがよい」という女が男への呼びかけ恋歌であるとの解釈を示しています(金田一京助は方言であるとの見方です)。

キリストは処刑されずに、ひそかに来日!?

さてさて、新郷村のキリストの墓ですが、ゴルゴダの丘で磔刑(はりつけけい)に処されたイエス・キリストは、ひそかに来日し、現在の青森県新郷村戸来で106歳という天寿をまっとうしたというのが、地元に伝わる伝説で、戸来という地名もヘブライがなまったものというオチがつきます。

もともと、このキリスト来日説は、昭和10年に茨城県に住む竹内巨麿氏が保管する『竹内文書』に記されていたというもので、村に伝承されていたというより、むしろ、昭和10年になって村人に突然明かされた新説といった感じのものです。

戦後、GHQは、竹内巨麿氏に対し、誇大妄想気味の人物というレッテルを貼っています。
「神々の故郷はプレアデス星団」、「飛騨の立山に降下した円盤」など、確かに竹内巨麿氏は奇妙奇天烈な説を勇敢にも唱え続けていたのです。

眉唾(まゆつば)の話と片づけるのは簡単ですが、キリストの墓のある戸来地区だけに残る風習として、「生まれたばかりの赤ちゃんは1ヶ月家から外に出さず、初めて外出する際には、その額に墨で十字を書くヤッコの行事が残されています」(新郷村観光協会の話)とのこと。

村では今でも真面目に、敬虔に『キリスト祭』を執り行っているのです。

キリストの墓を中心に、キリストの里と呼ばれ、中心施設として「キリストの里伝承館」も建てられています。
キリスト伝説の源となった竹内家の古文書『竹内文書』などが展示され、キリスト伝説の背景などを客観的に解説しています。

キリストの墓(キリストの里)
名称 キリストの墓(キリストの里)/きりすとははか(きりすとはさと)
所在地 青森県三戸郡新郷村戸来
関連HP 新郷村公式ホームページ
電車・バスで JR八戸駅から南部バス五戸行きで40分、終点下車。南部バス羽井内方面行きに乗り換え30分、キリスト公園下車、すぐ
ドライブで 八戸自動車道八戸ICから約35km
駐車場 キリストの里公園駐車場(30台/無料)
問い合わせ キリストの里伝承館 TEL:0178-78-3741
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