青森県弘前市にある国の重要文化財に指定される歴史的建造物が旧弘前偕行社(きゅうひろさきかいこうしゃ)。明治40年、陸軍第八師団の弘前新設に伴い、将校たちの社交場として建てられたもの。ルネサンス風の意匠を基調とした木造平屋建ての洋館で、現在は弘前厚生学院記念館として再生されています。
設計は青森に多くの洋館を残した堀江佐吉
設計は、地元弘前出身で、青森県内に多くの洋風建築を残した堀江佐吉(ほりえさきち)。
堀江佐吉は起工の2ヶ月後に他界し、長男の堀江彦三郎が棟梁として完成させています。
弘前には設備の整った洋式ホテルがなかったため、明治41年、皇太子嘉仁親王(こうたいしよしひとしんのう/後の大正天皇)、大正4年には大正天皇の行幸の際の行在所(あんざいしょ)としても使用されています。
戦後は、弘前女子厚生学院校舎、みどり保育園舎として使用された後、昭和55年から弘前厚生学院記念館として保存公開されています。
車寄せの妻飾りには唐草模様と陸軍第八師団に因んだ「蜂」の鉄製飾りがあるので、お見逃しなく。
館内には、応接所、書籍室、球突場、客室などがあり、各部屋の漆喰天井の繊細なレリーフ(中心飾り)などは往時のままに現存。
一般見学のほか、正午〜ガイド付き見学も行なわれています。
第八師団長官舎は、スターバックスコーヒー 弘前公園前店として再生。
堀江佐吉の設計で現存する建物としては、旧第五十九銀行本店本館(現・青森銀行記念館/国の重要文化財)、旧弘前市立図書館(青森県重宝)、五所川原市の旧津島家住宅(現・太宰治記念館 「斜陽館」/国の重要文化財)があります。
ちなみに、かつての偕行社のうち、国の重要文化財に指定されているのは、旧弘前偕行社のほかに、旧旭川偕行社(現・中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館)があります。
旧弘前偕行社(弘前厚生学院記念館) | |
名称 | 旧弘前偕行社(弘前厚生学院記念館)/きゅうひろさきかいこうしゃ(ひろさきこうせいがくいんきねんかん) |
所在地 | 青森県弘前市御幸町8-10 |
関連HP | 旧弘前偕行社公式ホームページ |
電車・バスで | 弘南鉄道弘高下駅から徒歩10分 |
ドライブで | 東北自動車道大鰐弘前ICから約9.5km |
駐車場 | 3台/無料 |
問い合わせ | 旧弘前偕行社(弘前厚生学院記念館) TEL:0172-33-0588 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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