富士山に一番近い鉄道をキャッチフレーズにする富士山麓鉄道富士急行線。そこで活躍する「フジサン特急」は、実は前身は、小田急20000形電車(ロマンスカー「RSE車」)。御殿場線に乗り入れる「特急あさぎり」用に開発された車両で、大改造されて富士急行線「フジサン特急」として登場しています。
ダブルデッカー部分は廃車にして、大改造

小田急では、もともと御殿場線へ直通する列車を1955年から運行していましたが、当初は御殿場線が非電化区間だったため、ディーゼルカーのキハ5000形気動車を走らせていました(後に関東鉄道に移譲され廃車に)。
電化後は、小田急3000形電車(ロマンスカー「SE車」)を連絡急行「あさぎり」として運用していましたが、国鉄の分割民営化後にJR東日本と協議を重ね、「相互直通運転車両の規格仕様に関する協定書」に基づいた設計で、誕生したのが小田急20000形電車(ロマンスカー「RSE車」)。
7両固定編成ですが、バブル期ということもあって、3号車・4号車は2階建て(ダブルデッカー)で、それ以外の車両は高床式(ハイデッカー)構造。
普通車のシートピッチも1000mmで、ゆったりとした内装になっていました。
2012年3月16日に定期運用が終了し、小田急ではロマンスカーミュージアムで2両が展示保存されるだけとなっていますが、2013年11月11日に1編成が富士急行(現・富士山麓鉄道)に譲渡され、7両編成の内の先頭車2両(1号車・7号車)と中間車1両(新宿側から2両目の6号車)を改造して「フジサン特急」を誕生させたのです(ダブルデッカー部分の3号車・4号車と2号車は廃車、解体)。
1号車がもともと展望車両だったのでそのまま流用。
運転室後方の座席をゆったりと眺望を楽しめるソファータイプに変更するなど、内部は大変貌しています。
3号車のみ、小田急時代とあまり変わらない内装で、少し「あさぎり」のイメージが残されています。
こうして富士急行8000系電車として変身し、当初は富士山の東麓・御殿場線を走った車両が、北麓の富士急行線で活躍しているのです。

| 【電車の大改造】小田急ロマンスカー「あさぎり」が富士急行線「フジサン特急」に! | |
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