三方を海に囲まれた千葉県、銚子半島の東端・犬吠埼(いぬぼうさき)にある、高さ31.15mの西洋式灯台が犬吠埼灯台。「灯台の父」と呼ばれるブラントンの設計で明治7年11月15日の初点灯以来、太平洋を行き交う船舶の航海の安全を見守ってきました。「世界灯台100選」、「日本の灯台50選」に選定、国の登録有形文化財に指定。
99段の螺旋階段で灯火部分に上ろう
灯火部分まで上ることのできる参観灯台で、99段の階段を上ると、眼下に犬吠埼や君ヶ浜、銚子の町並み、太平洋を望むことができます。
99段というのはブラントンが九十九里にちなんで設計したともいわれています。
敷地内に犬吠埼灯台資料展示館があり、犬吠埼灯台の初代レンズ(フレネル式第1等8面閃光レンズ)などが展示され、犬吠埼灯台の歴史を学ぶことができる仕組み。
周辺には海食洞や詩碑も点在し、散策に最適。
灯台はレンガ造りで、内務省土木技師・中沢孝政によって生産が試みられた初の日本製レンガを19万3000枚使っています。
レンガは何度も失敗を重ねた後、良質な土を見つけた香取郡高岡村の源田河岸付近(げんたかし=現在の成田市高岡にある利根川河川敷、成田詣での玄関口のひとつ)で焼かれ、イギリスの高価なレンガに遜色のないできばえでした。
それでもブラントンはイギリス製でなければ適せぬと主張して譲らず、日本製のレンガを使用することに疑念を持ったため、灯台を二重構造にして強度をもたせています。
その結果、関東大震災などの地震にも耐えて現存。
灯台とともに旧犬吠埼霧信号所霧笛舎も国の登録有形文化財になっています。
昭和20年8月10日には、7機の米軍戦闘機による攻撃を受け、灯台職員1名が殉職しています。
高さ20mほどの海食崖に建ち、塔高(地上〜塔頂)は31.30m、灯火部分から水面までは海抜51.8m。
光達距離は、19.5海里(36km)。
ちなみに、日本国内で世界灯台100選に選ばれた灯台は、犬吠埼灯台のほか、姫埼灯台(新潟県佐渡市)、神子元島灯台(静岡県下田市)、美保関灯台(島根県松江市)、出雲日御碕灯台(島根県出雲市)の合計5灯台のみ。
「安全な船舶航行に貢献し我が国の海運業等を支えた燈台等建設の歩みを物語る近代化産業遺産群」として経済産業省の近代化産業遺産にも認定されています。
犬吠埼灯台 | |
名称 | 犬吠埼灯台/いぬぼうさきとうだい Inubosaki Lighthouse |
所在地 | 千葉県銚子市犬吠埼9576 |
関連HP | 燈光会公式ホームページ |
電車・バスで | 銚子電鉄犬吠駅から徒歩7分 |
ドライブで | 東関東自動車道佐原香取ICから約45km |
駐車場 | 君ヶ浜海浜公園駐車場(300台/無料) |
問い合わせ | 燈光会犬吠埼支所 TEL:0479-25-8239 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag