千葉県富津市数馬にある不思議な岩窟寺院が、岩谷観音堂。少し荒廃していましたが地元数馬区が区民総出で整備し、観音堂も修築、見事に蘇っています。大悲山の崖を利用した横穴群で、もともとは古墳時代の横穴墓。中世~近世に壁に仏像や五輪塔が彫られた窟(くつ)が14窟も残されています。
富津市にある不思議な岩窟寺院
「岩谷堂やぐら群」として富津市の史跡に指定されているように、三浦半島などにも多い中世の鎌倉に流行した横穴式の墳墓。
海を隔てた富津市(恩田やぐら、岩見堂やぐら)や館山市にもあり、鎌倉と海上交通によって結ばれ、強い文化の影響を受けたことがよくわかります。
やぐら群のベースとなった古墳時代の横穴墓は、同じ富津市では大満横穴群、絹横穴群があります。
実は古墳時代中期に南関東最大の大きさを誇る内裏塚古墳の築かれた富津市は、千葉県内では最も多い約800基の横穴墓が確認される土地になっているのです。
岩窟は、第1窟〜第14窟まであり、普段は第2窟〜第6窟のみ見学が可能。
年2回の観音堂の御開帳時にしか公開されない第1窟(壁奥には阿弥陀如来坐像と観音菩薩・勢至菩薩が線刻)の前に観音堂が建ち、その第1窟を囲むように第2窟が回廊状に巡らされています(第2窟の長い回廊には照明も完備)。
寺の正式名は、大悲山岩谷堂清厳寺(だいひざんいわやどうせいがんじ)。
寺伝によれば奈良時代に行基の開山とのこと。
湊川を眼下に見下ろす場所にあり、かつては船で参拝に訪れる人も多かったのだとか。
近くにはもうひとつの異色スポット、旧城山隧道(燈籠坂大師切通しトンネル) もあるのであわせて見学を。
岩谷観音堂 | |
名称 | 岩谷観音堂/いわやかんのんどう |
所在地 | 千葉県富津市数馬268-3 |
関連HP | 富津市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR上総湊駅から徒歩15分 |
ドライブで | 館山自動車道富津中央ICから約5.5km |
駐車場 | 5台/無料 |
問い合わせ | 富津市観光協会事務局 TEL:0439-80-1291 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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