千葉県印旛郡栄町にある天台宗の古刹、龍角寺(りゅうかくじ)。発掘調査から7世紀の古代寺院、法起寺式伽藍配置の礎石が発見され、関東屈指の歴史を誇っています。寺の南側に、最後の前方後円墳といわれる浅間山古墳、畿内の大王陵を凌ぐ規模の方墳である岩屋古墳もあり、古墳時代から律令時代への変遷の歴史をも伝えています。
奈良時代には法起寺式伽藍配置の寺院があった!
現在の寺は、古代寺院の後継寺院で、戦国時代に本佐倉城(現・千葉県酒々井町)城主・千葉勝胤(ちばかつたね)が再興し、千葉氏の尊崇を受けています。
国の重要文化財に指定される銅造薬師如来坐像は、頭部のみ白鳳期の作(体部は江戸時代の火災後に再鋳造されています)。
本堂の東側、奈良時代のものと推測される三重塔の心礎は、「龍角寺境内の塔址」として国の史跡に。
12m×12mほどの基壇があったことが判明。
印波国造(いんばのくにのみやつこ)に関係した古代寺院があったと推測され、塔も礎石の穴の大きさから33mもの高さだったと推定されています(法起寺式伽藍配置=塔と金堂を東西に並立する伽藍配置)。
出土した軒丸瓦、丸瓦、平瓦は、龍角寺のすぐ北側の瓦窯(がよう=龍角寺瓦窯跡)で焼かれたもの。
「三重圏線文縁八葉単弁蓮華文」など、大化改新(645年)で滅ぼされた蘇我氏一族によって建立された山田寺(奈良県桜井市山田にあった古代寺院)の瓦を作った工人の影響を受けた「山田寺系の瓦」で、蘇我氏との関係があったこともわかります。
名称 | 龍角寺/りゅうかくじ |
所在地 | 千葉県印旛郡栄町龍角寺239 |
電車・バスで | JR成田線安食駅から徒歩35分 |
ドライブで | 東関東自動車道成田スマートICから約10km |
駐車場 | あり |
問い合わせ | 龍角寺 TEL:0476-95-4224 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag