「海の中道」を電車そっくりのDENCHAが走る!

DENCHA

博多湾と玄界灘に囲まれた砂州状の「海の中道」に敷設されたJR香椎線(かしいせん)。海の中道にある西戸崎駅(福岡県福岡市東区)と宇美駅(糟屋郡宇美町)を結ぶ25.4kmの非電化のローカル線ですが、電車そっくりのDENCHAが走っています。珍しい蓄電池電車のため、DENCHAの愛称が付けられています。

架線・蓄電池ハイブリッド方式で走行

DENCHA

JR九州の非電化区間には、キハ40系などのディーゼルカーが運用されていますが、香椎線は、非電化、ワンマン運転のローカル線ながら福岡近郊区間、IC乗車カード「SUGOCA」の利用エリアということもあって、「DENCHA」の愛称のあるBEC819系電車を投入したのです。

車体の塗装や内装デザインは、「ななつ星 in 九州」などJR九州の車両デザインも手がけている水戸岡鋭治が担当しているので、実におしゃれな感じです。

架線式蓄電池電車で、「DENCHA」の名前は、DUAL ENERGY CHARGE TRAINから取ったもの。
エコでスマートな『人と地球の未来にやさしい』次世代型車両として2016年4月に試験運転が開始されたもので、当初は筑豊本線(若松線)の若松駅~折尾駅間に投入されていました。

交流電化区間ではパンタグラフを上げて従来の電車と同じように架線から電気を取って交流電力で走行。
走行中、停車中に、架線からの交流電力を変換して蓄電池に充電し、非電化区間ではパンタグラフを下げて、蓄電池のみの電力で走行するというまさにDUAL ENERGY CHARG(2つのエネルギーチャージ)なシステムです。
さらに非電化区間の走行時にはブレーキ時に回生エネルギーを蓄電池に充電することもできます。

現在運用されるのは、筑豊本線(若松線)、香椎線(海の中道線)、福北ゆたか線、鹿児島本線(折尾駅〜博多駅〜二日市駅)。
香椎線では鹿児島本線と交差する香椎駅(交流電化)で、充電が行なわれています。

2019年3月16日のダイヤ改正でDENCHAの走行が始まった香椎線では、「自動列車運転装置」による自動運転の実証実験も行なわれています。

日本国内で走る蓄電池電車は、JR東日本の烏山線(からすやません/栃木県、直流)のEV-E301系電車が有名です(架線・蓄電池ハイブリッド方式としては日本初)、男鹿線(おがせん=男鹿なはまげライン/秋田県、交流)にもEV-E801系電車が走っています。

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「海の中道」を電車そっくりのDENCHAが走る!
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