七福神のなかで唯一日本の神様なのが「えびす様」。恵比須、恵比寿、恵美須、夷、戎、胡、蛭子、蝦夷などと多様に記されるのは、その起源が複雑だから。「日本三大えびす」に数えられるのは京都ゑびす神社(京都市)、今宮戎神社(大阪市)、そして西宮神社(兵庫県西宮市)という関西の3社です。
事代主命は、恵比寿神!?
事代主命(ことしろぬしのみこと)と恵比寿神が同一視されるようになったのは、実は中世から。
国譲り神話(出雲神話)で、事代主命が出雲の美保ヶ崎(地蔵崎)で釣りをしていたことから釣り好きとされ、海と関係の深いえびすと同一視されるようになったもの。
恵比寿神は、記紀に出てこない神であるため、イザナギ、イザナミの子である蛭子命(ひるこのみこと)とする神社、あるいは大国主命(大黒様)の子である事代主命とする神社などに分かれているのです。
七福神で恵比寿神が大鯛を小脇に抱え釣竿を持っているのは、この国譲り神話のイメージから。
神仏習合の本地垂迹説(日本の神々は仏や菩薩の仮の姿という説)では、えびすの本地仏(本来の姿)は、毘沙門天、不動明王とされています。
京都ゑびす神社
所在地:大阪府大阪市浪速区恵美須西1-6-10
創建:建仁2年(1202年)、栄西が建仁寺の鎮守社として創建
主祭神:八代事代主大神(やえことしろぬしのおおかみ)、大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)、少彦名神(すくなひこのかみ)
主な祭礼:『十日ゑびす大祭』(初ゑびす)=1月8日〜1月12日、『二十日ゑびす大祭』(ゑびす講)=10月19日〜10月20日)
今宮戎神社
所在地:大阪府大阪市浪速区恵美須西1-6−10
創建:推古天皇8年(600年)、四天王寺創建の際に西を守護する社として創建。
戎信仰は、京の祇園社(明治の神仏分離で八坂神社に)の氏子が今宮に移り住んだときに創始
主祭神:天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)、事代主命(ことしろぬしのみこと)、素盞嗚尊(すさのおのみこと)、月読尊(つきよみのみこと)、稚日女尊(わかひめのみこと)
主な祭礼:『十日えびす』=1月9日〜1月11日
西宮神社
所在地:兵庫県西宮市社家町1-17
創建:不明
主祭神:えびす大神(西宮大神・蛭児大神)、天照大御神、大国主大神、須佐之男大神
主な祭礼:『十日えびす』=1月9日〜1月11日(1月10日『開門神事福男選び』)
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