「死ぬまでに見たい千葉の絶景」、あるいは「日本のウユニ塩湖」、はたまた、宮崎アニメ『千と千尋の神隠し』に登場の海中電柱といわれているのが、潮干狩りで有名な千葉県木更津市の海岸。かつては4ヶ所あった海中電柱も、今では牛込海岸、久津間海岸の2ヶ所だけに。「今しか見ることができない奇観」となっています。
「今しか見ることができない奇観」として大ブレイク!

千葉で目下ブレイクしている観光スポットといえば濃溝の滝(君津市)。
こちらは、3月と9月に行けば、洞門に太陽が指してハート型が現れるとSNSで大ブレイク。
今やツアー客が団体バスで訪れ人気スポットに。
ツアーバスが訪れることはありませんが、カメラマンが場所取りをするほどの人気のスポットが木更津市の海中電柱。
人気の理由は、東京湾という便利な立地にありながら、沖合に向かって電柱が並んでいるという奇観を目にできるから。
しかも満潮になると、「海中電柱」という不思議な光景が出現。
なぜ、海中に電柱がという素朴な疑問については、
「もともと、沖合にアサリやハマグリの密漁を取り締まる監視所があり、その監視所に電気を送るための送電用の電柱が遠浅の海岸線に立てられました」
というのが木更津市観光振興課の解説。
この監視小屋、現在は使われていないとのことで、電柱も将来的には撤去の可能性が大。
海中電柱で有名となった江川海岸も2019年に撤去され、現在残るのも2ヶ所のみとなったのです。
それゆえ、「今しか見ることができない奇観」として、カメラマン氏などが足繁くやってくるという場所に。
以前には金田海岸にもありましたが、現役をリタイアしてやはり撤去されたのです。

「日本のウユニ塩湖」といういわえれるような「天空の鏡」現象も
木更津市の海中電柱には、もうひとつ、人気の秘密が。
それは、「日本のウユニ塩湖」という代名詞がつくような光景が展開するから。
ウユニ(Uyuni)は、ボリビアの西部にある町。ここにある広大な塩原、ウユニ塩原(Salar de Uyuni)は、乾期(7月頃〜10月頃)には単なる真っ白な塩原ですが雨期になると浅く水がたまり、「天空の鏡」と形容される不思議な空間が演出されるのです。
「干潮時には単なる遠浅の浜に並ぶ電柱ですが、潮が満ちてくれば、『天空の鏡』になることも。風のない朝夕が狙い目なんです」
とは、地元カメラマンの話。


これが本物のウユニ塩湖の「天空の鏡」


遠浅の久津間海岸に現れる「天空の鏡」
砂浜には立入禁止! マナーを守って見学・撮影を
注意したいのは、電柱の並ぶ海岸部は危険もあって立入禁止になっている点。
「マナーが守られないようなら、早めの電柱撤去も検討せざるを得ない」というのが行政と地元漁協の基本的な方針。
基本的に、電柱の並ぶ砂浜には立入禁止です。
海岸から沖に伸びる電柱横にはかなり深い水路が掘られており、ここに落ちると抜け出せない危険が。
くれぐれも、立入禁止エリアには侵入しないようにご注意を。
ちなみに、木更津の海岸線は、盤州干潟(ばんずひがた)と呼ばれる1400haもの干潟地帯で、日本の重要湿地500にも選定されています。
この干潟を利用して、海苔の養殖、アサリ漁、バカガイ漁が行なわれているのです。
いわゆる「江戸前アサリ漁」で、漁協によるアサリの稚貝保護などの漁場管理も行なわれ、金田漁協、新木更津市漁協がアサリ漁を行なっています。
潮干狩りなどを行なうのも地元の漁協です。
| 「死ぬまでに見たい千葉の絶景」 木更津の海中電柱 | |
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