観世音寺

筑紫で崩御した母・斉明天皇追悼のために天智天皇が創建したという九州屈指の古刹。746(天正18)年造営で、761(天平宝字5)年には戒を授ける(正式に僧になるために必要な儀式)寺として東大寺、下野薬師寺とともに「天下三戒壇」のひとつ戒壇院が設けられています。現在国の史跡、日本遺産「大宰府」の構成遺産になっています。

花の香りに包まれ、日本最古の鐘の音が響く

斉明天皇は661年に没していることから、白鳳年間(661年〜683年)に着工し、746(天正18)年完成と推測されています。
境内から出土した瓦には7世紀に焼かれたものもあり、奈良時代鋳造という日本最古の梵鐘(国宝)があって、その音色は「日本の音百景」のにも選定されています。
正確な鋳造年はわかっていませんが、「戊戌年」(698年)の銘がある京都・妙心寺の梵鐘と同一の木型によって鋳造された兄弟鐘のため、7世紀末には伽藍がある程度整っていたことがわかります。

この国宝の梵鐘は、毎月18日(観音様の縁日)の13:00と大晦日(除夜の鐘)にその音を聞くことができます。
また、平安から鎌倉にかけて造られた聖観音坐像など仏像16体も残り、すべて国の重要文化財(宝蔵に安置)。

僧侶が国家公務員だった時代には九州の寺院の中心的存在で、761(天平宝字5)年には、鑑真によって当寺に戒壇院が設けられています。
これにより、都へ出向かずとも、観世音寺で受戒ができるようになりましたが、平安時代以降は徐々に衰退。
往時の建物は、その後の火災などで失われ、現在は江戸時代初頭に藩主黒田家が再建した講堂と金堂(ともに福岡県指定有形文化財)が残るのみとなっています。

創建当初の伽藍は東西93m、南北78mの回廊で囲まれていたことがわかっていますが(大和・川原寺の伽藍配置に酷似)、今は南大門、中門、塔、僧坊などの礎石などが残るのみとなっています。
南大門跡と記された場所に礎石が残りますが、当初の南大門の位置とは少しずれています。
鐘楼前に塔の心礎が残されていますが、こちらは往時の位置のまま。

藤、アジサイ、南京ハゼの咲く花の寺としても有名で、紅葉も見事です。

江戸時代再建の講堂
南大門の跡
五重塔の心礎
観世音寺
名称 観世音寺/かんぜおんじ
所在地 福岡県太宰府市観世音寺5-6-1
関連HP 太宰府市公式ホームページ
電車・バスで 西鉄五条駅から徒歩15分
ドライブで 九州自動車道太宰府ICから約4.4km
駐車場 30台/無料
問い合わせ 観世音寺 TEL:092-922-1811/FAX:092-922-1890
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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