大江山鬼伝説が伝わり、「日本の鬼の交流博物館」のある京都府福知山市。妖怪博士ちゃん・妖怪探究家として活躍する、中学3年生関本創さんの手掛けたオリジナル絵本『節分で追い出された鬼はどこへ行く?』(B5判/24P)の読み聞かせ動画が福知山市公式YouTubeで公開されています。
『節分で追い出された鬼はどこへ行く?』
京都府福知山市は、鬼もヒトもみんなでワクワク、楽しみながらまちを盛り上げていく、まさに「オニバーサル」なまちを目指すプロジェクト『ONIversal city project』を実施していますが、福知山市になじみ深い「鬼」について市内外の子どもたちにも親しんでもらうべく、約半年をかけて制作したオリジナル絵本『節分で追い出された鬼はどこへ行く?』が完成。
このストーリーを全国のより多くの方に楽しんでいただけるよう、市公式YouTubeで、読み聞かせ動画も公開しています。
酒吞童子伝説の残る福知山市には、元々鬼を親しむ文化が深く根付いています。
福知山市三和地域の「大原神社」の節分祭のかけ声は「鬼は内、福は外」と通常の真逆で、巷(ちまた)にある悪いものを神社で清めたうえで(=鬼は内)、村に福をお返しする(=福は外)という発送です。
「鬼のまち」福知山としても、大江山に伝わる最強の鬼・酒呑童子の伝説(平安時代中期の武将・源頼光が「頼光四天王」と呼ばれる屈強な家臣らを従え丹波国⼤江⼭へ向かい、酒吞童子率いる鬼の一味を討伐したという伝説)を背景に、これまでも「節分で追われる鬼たちよ、集まれ!」と全国の鬼たちに向けて発信してきました。
『節分で追い出された鬼はどこへ行く?』は、「鬼は外!」で追い払われた鬼たちはどうしているのかがテーマ。
福知山市の大江山に集まる鬼たちの、知られざる想い、ユーモア溢れる掛け合いと、節分の豆まきがもつ意味を、関本創さんの絵本が読み解いてくれます。
福知山市公式YouTubeでの読み聞かせ動画の読み手は、舞台役者の宇都恵利花((うとえりか)さん。
2019年に舞台で茨木童子(いばらきどうじ=平安時代に大江山を本拠に京都を荒らし回ったとされる鬼のひとり)を演じたことがきっかけで鬼に関心を持ち、福知山市が2023年に実施した「日本の鬼の交流博物館 開館30周年記念 酒呑童子イラストコンテスト」では大賞を受賞しています。
■作者 関本創さんコメント
ずっと挑戦してみたいと思っていた妖怪の絵本制作の機会をいただきました。鬼が主役の話で、誰もが知る「節分」をテーマにストーリー制作をしています。大人でも楽しめる内容になっています。毎年、節分に思い出していただけると嬉しいです。
■監修者 世界鬼学会 会長 八木 透さん(佛教大学 歴史学部 教授)コメント
この絵本の中で貫かれているコンセプトは、人間と鬼との共生です。個性豊かな鬼たちが友だちと楽しんでいる姿を見て、私たちの考え方如何で人間は鬼と仲よくなれるということを確信できるのではないでしょうか。つまり私たちは、国籍や性別などに関わらず、すべての人たちと共生してゆくことが可能なのだというメッセージなのです。
■読み手 宇都恵利花さんコメント
今回、大好きな鬼の魅力を伝える素敵なプロジェクトに関われたこと、本当に嬉しく思います。たくさんの鬼が出てくる絵本を私もワクワクした気持ちで読みました。そのワクワクを動画でもたくさんの方にお届けしたいという想いで録音に臨みました。鬼に興味を持つきっかけのひとつになってもらえたら嬉しいです。
「鬼のまち」福知山市のオリジナル絵本『節分で追い出された鬼はどこへ行く?』公式YouTubeで公開! | |
開催日時 | 大江山、日本の鬼の交流博物館、鬼嶽稲荷神社、毛原の棚田、元伊勢内宮皇大神社と相互リンクをお願いします |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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