日本の鬼の交流博物館

日本の鬼の交流博物館

京都府福知山市大江町、大江山麓にある大江山の鬼伝説がテーマのミュージアムが、日本の鬼の交流博物館。大江山には、酒呑童子、日子坐王の鬼退治、麻呂子親王の鬼退治と3つの鬼退治伝説があり、その伝説のほか、日本の鬼、世界の鬼を紹介するユニークな施設です。

大江山登山口にある、鬼とは何かに迫るユニークな博物館

日本の鬼の交流博物館

常設展示は、日本の鬼、世界の鬼、大江山の鬼伝説、鬼瓦のうつりかわり、鬼とむきあう人たちの5コーナー。
日本の鬼コーナーでは、「祀られる鬼」、「暮らしの中の鬼」、「節分の鬼」、「民俗芸能の鬼」などに分け、日本各地に根付いた鬼に迫ります。
世界の鬼コーナーでは、外国の仮面を展示し、魔なるものへの畏れの気持ちが万国共通であることを解説しています。

大江山の鬼伝説コーナーでは、陸耳御笠(くがみみのみかさ)という土蜘蛛が日子坐王(ひこいますのきみ=祟神天皇の弟)に退治された話、麻呂子親王(まろこしんのう=当麻皇子・たいまのみこ/用明天皇の第三皇子、聖徳太子の異母弟)が、三上ヶ嶽(大江山の古名)で英胡(えいこ)・軽足(かるあし)・土熊(つちぐま)などを討った話、そして大江山に住んだ鬼で、源頼光とその配下の渡辺綱たちに討たれる酒呑童子(しゅてんどうじ)の3伝説を紹介。

時代的には、陸耳御笠は8世紀の『丹後風土記残缺(丹後風土記残欠)』に記載されていたものを15世紀に、僧智海が筆写したもので、それが最古の鬼伝説(ただし偽書という可能性も)。
酒呑童子伝説の『大江山酒天童子絵巻』が南北朝時代〜室町時代で、麻呂子親王伝説は酒呑童子伝説に大きな影響を与えていることからやはり中世以降の伝説と推測できます。

都のあった京に近く、渡来系の文化が伝搬する丹後ということで、鬼に例えられるのは金属器を伝えた南方系の渡来人ではないかなど、ヤマト王権と丹後国の強大な勢力との対立のなかから、鬼退治伝説(丹後王権討伐伝説)が生まれたのではと推測する研究者もいます。

丹後には、大陸や日本海の交流を背景に、徐福伝説、『山椒大夫』の安寿と厨子王、浦島太郎伝説、天女の羽衣伝説など数多くの伝説が残されているのです。

日本の鬼の交流博物館
日本の鬼の交流博物館
名称 日本の鬼の交流博物館/にほんのおにのこうりゅうはくぶつかん
所在地 京都府福知山市 大江町仏性寺909
関連HP 日本の鬼の交流博物館公式ホームページ
電車・バスで 北近畿タンゴ鉄道大江駅から町営バス大江山行きで20分、大江山の家下車、徒歩2分
ドライブで 京都縦貫自動車道舞鶴大江ICから約15km
駐車場 50台/無料
問い合わせ 日本の鬼の交流博物館 TEL:0773-56-1996/FAX:0773-56-1996
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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