兵庫県宍粟市(旧・宍粟郡波賀町)の1916年に敷設された森林鉄道が波賀森林鉄道(はがしんりんてつどう)。総延長は44kmもあり、木材の搬出に活躍しましたが1968年7月15日に廃止。2024年10月26日(土)、地元「波賀元気づくりネットワーク協議会」が観光用に総延長678mの「林鉄」を復活させました。
昭和30年代には44kmもあった林鉄が観光用に復活!
北海道、東北、長野県、そして中国、四国などかつては全国で活躍した森林鉄道。
現在、現役で活躍する路線はありませんが、赤沢自然休養林(長野県木曽郡上松町)など、一部が観光用に運用されています。
大阪営林局のドル箱として活躍し、地元で「林鉄」(りんてつ)と呼ばれた波賀森林鉄道は廃止後、軌道跡をサイクリングロードに転用などされていましたが、一部の線路は現存しています。
「波賀元気づくりネットワーク協議会」は、波賀森林鉄道開業100周年を前にして、林鉄復活を目指し、線路の整備と機関車の購入などに尽力。
機関車は、北陸地方整備局立山砂防事務所が立山砂防工事専用軌道で使っていたディーゼル機関車(北陸重機工業製)を宍粟市が競売で落札したものを利用。
地元のリゾート施設「フォレストステーション波賀」で総延長678mの周回コースが誕生しました。
周回コースに比べて延伸コースは起伏に富み、さらにタイトなカーブもあって、かなり本格的。
こうした復活もあって波賀森林鉄道は、2024年6月に、産業遺産学会の「推薦産業遺産」に認定されています。
認定にあたっては、保存状態だけでなく、地域活性化に活用されていることも評価されたということ。
駅舎はクラウドファンディングで建設予定
「波賀町を元気にしたい」という想いを持った人が集まって平成28年に波賀元気づくりネットワーク協議会が結成。
その昔波賀町には森林鉄道があり、賑わっていたことに思いを馳せ、賛同者が数多く集まって、2021年8月、波賀森林鉄道の復活プロジェクトが立ち上がりました。
勉強会、廃線遺構調査、当時旧山崎営林署で実際に勤務した人からの聞き取り調査、古写真の収集などを実施。
宍粟市が機関車を購入したことで復活は現実化し、「東山彩の森遊歩道」に線路を敷設することが決定。
2023年8月、108mの周回コース「りんてつ東山線」が誕生。
さらにクラウドファンディングを利用しての資金集めも行なわれ、2024年10月26日(土)、周回コースのレール総延長距離が678mに延長(走行可能距離約1㎞超)して森林鉄道は大幅にパワーアップ、残されるのは駅舎の建設のみになったのです。
駅舎の建設費用はクラウドファンディングを実施。
2024年12月24日(火)までクラウドファンディングを受付中です。
波賀森林鉄道が復活、延伸! | |
名称 | 波賀森林鉄道/はがしんりんてつどう |
所在地 | 兵庫県宍粟市波賀町上野 |
ドライブで | 中国自動車道山崎ICから約25km |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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