姫路城・姥が石

姫路城の連立天守群の建つ天守台の北西、乾小天守(いぬいこてんしゅ/乾=北西)北側の石垣に「姥が石」(うばがいし)と通称される伝説の石があります。築城の際の転用石にまつわるエピソードですが、実は後世の創作という疑いも大で・・・。

秀吉時代の石垣は実は内部に隠れていて見えないはず!

伝承によれば、羽柴秀吉が黒田官兵衛から姫路を受取、姫山に三層の天守を築いている時に、大幅な石材不足に陥ります。
その話は城下にも行き渡り、貧しいとある老婆が石臼を秀吉に供出したところ、秀吉は大変喜び、石臼を現在の乾小天守北側の石垣にこの石臼を使ったという話です。
この話を聞いて、城下の人は進んで石を供出したという話。
秀吉らしいエピソードではありますが、事実かどうかは定かでありません。

話としてはよくできていますが、14.85mという高さの天守台石垣を組むにあたって、代用石と言われるように、周辺の寺の石まで活用しています。
ただし、現在の石垣は池田輝政時代の石垣。
秀吉時代に積まれた石垣はその内側に隠れているはずなのです。
姫路城には、「お菊井戸」や「腹切丸」(帯郭櫓)など「伝説」が残されていますが、すべて大正時代に城が公開される際の作り話なので、この姥が石も近代の創作と考えていいでしょう(石臼の転用というのは事実ですが・・・)。

当時の智慧者が、転用石に目を向けさせるために生み出した「伝説」と考えるのが妥当。

和歌山城などにも転用石が多用されていますが、江戸時代初めの石垣は、石不足を補うために、墓石や姫路城では古墳の石棺までも利用しています。

姫路城・姥が石
名称 姫路城・姥が石/ひめじじょう・うばがいし
Ubagaishi(”Old Widow’s Stone”),Himeji Castle
所在地 兵庫県姫路市本町68
関連HP 姫路城公式ホームページ
電車・バスで JR・山陽電鉄姫路駅から徒歩15分
ドライブで 山陽自動車道山陽姫路東ICから約6km
駐車場 市営大手門駐車場(600台/有料)、市営姫山駐車場(250台/有料)、市営城の北駐車場(150台/有料)
問い合わせ 姫路城管理事務所 TEL:079-285-1146/FAX:079-222-6050
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

姫路城

2017年12月7日

 

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