相楽園・旧ハッサム住宅

相楽園・旧ハッサム住宅

神戸市中央区の相楽園内にある明治時代の洋館が旧ハッサム住宅。インド系イギリス人貿易商J.K.ハッサム(J.K.Hassam)が、明治35年に北野に自邸として建てたもので、現在のラインの館(旧ドレウェル邸)の北側に建っていました。昭和36年、所有者だった神戸回教寺院から神戸市が寄贈を受け、相楽園に移築保存したもの。国の重要文化財に指定。

明治時代後期の貿易商の暮らしぶりを垣間見る

木造2階建て、寄棟造り、桟瓦葺きで、化粧レンガ積みの煙突が設けられています。
1階はアーチを連ねたアーケード式、2階は列柱が並ぶコロネード式で、2階ベランダ柱頭部にはアカンサスの葉をかたどった柱頭飾りが施されています。
明治の洋館(異人館)らしく、外壁の下見板張りオイルペイント塗りで、ベイウインドウ(張り出し窓)、鎧戸(よろいど)、ペジメント(切妻)を備えています。
1階は、応接室、居間、食堂など接客を兼ねた機能を有し、2階は、寝室、化粧部屋、浴室などのプライベート空間で、当時の在神戸外国人たちの優雅な暮らしぶりがよくわかります。

設計は、神戸外国人居留地内外で作品を残す英国王立建築家協会正会員のアレクサンダー・ネルソン・ハンセル(Alexander Nelson Hansell)。
その自邸はシュウエケ邸として現存しています。
また、旧シャープ住宅(重要文化財)もハンセルの設計と推測されています。

平成7年の阪神・淡路大震災ではレンガ積みの煙突が配膳室に落下していますが、前庭の隅に展示されています。
前庭の2本のガス灯は、明治7年頃、旧神戸外国人居留地に建てられていたもので、初期のガス灯です。
例年、春の『つつじ遊山』、秋の『菊花展』の時期にあわせて、2週間程度の内部公開が行なわれています。

相楽園・旧ハッサム住宅
アーケード式の玄関部分
相楽園・旧ハッサム住宅
名称 相楽園・旧ハッサム住宅/そうらくえん・きゅうはっさむじゅうたく
所在地 兵庫県神戸市中央区中山手通5-3-1
関連HP 相楽園公式ホームページ
電車・バスで 神戸市営地下鉄県庁前駅から徒歩5分
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ 相楽園 TEL:078-351-5155
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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