【豊臣兄弟!】豊臣秀長の生誕地は尾張・中村(名古屋市)

【豊臣兄弟!】豊臣秀長の生誕地は尾張・中村

2026年のNHK大河ドラマ は『豊臣兄弟!』。主人公・豊臣秀長(ドラマでは仲野太賀)の生誕地は、尾張国愛知郡中村(現在の名古屋市中村区)。豊臣秀吉の異父弟(または同父弟)といわれているので、生母は大政所ということに。秀吉の生誕地は中村公園にあるので、豊臣秀長の生誕地も中村公園と推測できます。

豊臣秀長は現・名古屋市中村区の出身

【豊臣兄弟!】豊臣秀長の生誕地は尾張・中村
豊臣秀吉の生誕地の候補のひとつ、中村公園

後に大政所と称される豊臣秀吉、豊臣秀長の実母・仲(なか)は、尾張国愛知郡御器所村(現在の名古屋市昭和区)に生まれ、織田家の下級武士(足軽もしくは雑兵)の木下弥右衛門と結婚、秀吉を生んでいます。
江戸時代の初期に旗本・土屋知貞(つちやともさだ)が記した『太閤素生記』(たいこうそせいき)には天文12年(1543年)に夫が没した後(このとき仲はまだ20代の若さです)、織田信秀に仕えた竹阿弥(ちくあみ)と再婚し、小一郎(豊臣秀長)と旭(駿河御前)を生んだとされています。

ただし、豊臣秀長の生年は天文9年(1540年)とされているので、再婚前で、父は秀吉と同じ木下弥右衛門という可能性が大ということに。
戦国時代ですが、大名家の生まれでなく、正確な記述の史書がないため、秀吉とは兄弟関係だったこと、尾張国中村の出自であることしかわからないのです。

『太閤素生記』には、「秀吉ハ中々村ニテ出生」と記されているので(当時の尾張国中村郷は、上中村、中中村、下中村に分かれていました)、尾張国中中村の出であることがわかります(生誕地に関しては下中村とする説もあります)。

明治18年、豊臣秀吉の生誕地に建立された名古屋市の豊国神社ですが、その豊国神社を中心に整備された中村公園には、豊公誕生の地碑(ほうこうたんじょうのちひ)が立っています。
豊臣秀吉誕生の地近くの妙行寺は、25歳年下となる加藤清正の生誕地です。
実は、中村公園のある場所は、上中村なので、『太閤素生記』に記された「秀吉ハ中々村ニテ出生」とは異なる場所ということに(中中村は、現在の中村区中村中町周辺)。

生誕地碑も立っていますが、大政所と加藤清正の母が従姉妹(あるいは遠縁の親戚)であることから、長浜城主となった羽柴秀吉に小姓として仕え、出世街道を歩んでいます。
この加藤清正も妙行寺に生誕地の碑が立っていますが、豊臣秀長生誕の地碑は、これまで建立の動きはありませんでした(中村公園には「名古屋市秀吉清正記念館」も建っています)。

名古屋市中村区は、地下鉄東山線・中村公園駅から中村公園に向かう道に、「武将の案内板」を設置。
最初に設置されたのが、平成29年3月の中村区を生誕地とする天下人「豊臣秀吉」、続いて平成30年3月に中村区で生誕し、秀吉の子飼いで、名古屋城天守石垣の普請を担当した「加藤清正」、平成31年2月には、「豊臣秀長」、「蜂須賀正勝」(播磨龍野城主で、徳島藩主蜂須賀家の家祖)、「福島正則」(広島藩主、後に信濃高井野藩の初代藩主)、「前田利家」(加賀藩主・前田家の祖)と続きますが、その扱いは豊臣秀吉ゆかりの武将というくくりになっています。

蜂須賀正勝は、尾張国海東郡蜂須賀郷(愛知県あま市蜂須賀)、福島正則は、尾張国海東郡二ツ寺村(現・愛知県あま市二ツ寺屋敷)、前田利家は尾張国海東郡荒子村(現・名古屋市中川区荒子)とこの3人はいずれも中村区ではないので、とくにゆかりではないのかもしれませんが、秀吉の天下統一に貢献した豊臣秀長の扱いは、加藤清正よりも下ということに。

もともと名古屋は、織田信長、豊臣秀吉という2大スーパースターを抱え、さらに徳川家康を加えて三英傑として宣伝しているので、これまで豊臣秀長はあまり着目されなかった隠れた存在でした。
『豊臣兄弟!』が放映されることから、今後は、生まれ故郷・名古屋市でも、豊臣秀長の見直しが始まることでしょう。

永禄3年(1560年)の桶狭間の戦いにも、兄弟して参陣しただろうと推測されますが、それすら記録はありません。
秀吉でさえ、永禄4年(1561年)、織田信長の美濃攻めが初登場となる記録なので(その後、美濃平定に活躍)、身分の低さゆえ家臣のいない秀吉は、弟の秀長を右腕に、姻戚にあたる福島正則など、尾張出身者で周囲を固め、立身出世の道を歩んだのです。

その原点は、尾張国中村にあり、NHK大河ドラマは『豊臣兄弟!』の追っかけ旅は、名古屋市から始まるのがセオリーでしょう。

【豊臣兄弟!】豊臣秀長の生誕地は尾張・中村(名古屋市)
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
中村公園

中村公園

愛知県名古屋市中村区、明治18年建立の豊国神社を中心に整備された純日本風廻遊式林泉庭園が美しい名古屋市営の都市公園が、中村公園。公園に隣接する常泉寺(地名は木下屋敷)は豊臣秀吉の生誕地と称することから、中村公園内に「豊公誕生之地碑」が立って

中村公園・豊臣秀吉誕生の地

中村公園・豊臣秀吉誕生の地

愛知県名古屋市中村区、明治18年建立の豊国神社を中心に整備された中村公園は、豊臣秀吉誕生の地。公園の一画に豊公誕生の地碑(ほうこうたんじょうのちひ)が立っています。天文6年2月6日(1537年3月27日)、尾張国愛知郡中村郷中中村(現・名古

 

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