氷見うどんの元祖・高岡屋本舗「手延氷見糸うどん」【富山県氷見市】

高岡屋本舗「手延氷見糸うどん」

輪島のそうめんがルーツという富山県氷見市(ひみし)の郷土料理「氷見うどん」。製法は稲庭うどんと同じなので、味も太鼓判のご当地うどんです。その元祖というのが高岡屋本舗。江戸時代には加賀藩の御用達として藩主・前田候にも献上されていたといううどんは、土産、取り寄せに絶好です。

氷見うどんのルーツが「高岡屋本舗」

高岡屋本舗「手延氷見糸うどん」

氷見うどんの歴史は江戸時代に半ばまで遡ります。
宝暦元年(1751年)、「高岡屋本舗」創業の初代・弥三右衛門が能登・輪島(現在の石川県輪島市)から技法を学んだのに始まります。

当時の輪島は加賀藩の御用素麺として白髪素麺の技術を有していました(輪島塗が隆盛する以前、幕末までは輪島素麺が特産でした)。
そうめんは細い物ほど高級品とされますが、超極細品の白髪素麺は、熟練の素麺師が生み出す貴重な品だったのです。

能登といえば曹洞宗総本山総持寺ですが、総持寺で修行する僧は四九日(修行僧侶が座禅を休む日で、4と9の付く日)にはうどんを食べる習慣があり、うどん文化が根づいていたのです。

そんな能登のうどん技術を富山氷見の地に伝えたのが、「高岡屋本舗」初代・弥三右衛門。
弥三右衛門は「糸うどん」を生み出して評判となり、加賀藩の御用達として藩主・前田候にも献上されていました。

高岡屋本舗「手延氷見糸うどん」
まずは冷やしざるうどんで

「高岡屋本舗」に伝わる2つの製法

実は、氷見うどんの元祖である氷見うどんの元祖「高岡屋本舗」の製法には2つあります。

(1)氷見糸うどん純手製「一糸伝承」の製法

「唯一すべて人の手づくりによる製法で家伝とし、門外不出に今日までに受け継いでまいりました。手打ち・手延べ・手縒りによる技で作り上げる完全手造りの門外不出のうどんです。」(高岡屋本舗)
=製品としては「純手製 氷見糸うどん 『一糸伝承』」など。

(2)元祖の製法をもとに生まれた「手延」の製法

高度成長以降に創業した後発のメーカーも取り入れた「手延」の製法。
=製品としては「手延 氷見糸うどん 澱粉の旨味」など。

「手延」は、
(1)生地をつくる
(2)踏み板の上で麺生地を足踏みし、薄くなったら重ねて再び足踏み(この工程を繰り返す=より強いグルテンの組織が形成)
(3)のし(厚さ10cmほど円盤状に延ばす)
(4)板切(渦巻き状に包丁を入れて大きな麺帯をつくる)
(5)細目(麺帯を引き延ばしながらたらいの中に渦状に巻く)
(6)寝かし(麺を寝かせて熟成させます)
(7)こなし(細めの工程を数回繰り返し麺を細くしていきます。延ばすだけでなく撚りをかけて縄のようなグルテンを形成させます)
(8)かけば
(9)寝かし
(10)小引
(11)門干
(12)箸分け
(13)小割り

以上のように、手打ちうどんの十数倍という手間と時間をかける製法のために、生産量が少なく幻の麺となっています。

そんな氷見うどんの特徴は、
「歯切れが良くもっちりとした強いコシ、それでいてなめらかな口あたりの良さ」
にあります。

夏なら同じ手延製法から生まれる氷見糸そうめん、氷見糸冷めん(冷麦)もおすすめです。

高岡屋本舗「手延氷見糸うどん」
アレンジしてカレーうどんに
氷見うどん高岡屋本舗
名称 氷見うどん高岡屋本舗/ひみうどんたかおかやほんぽ
所在地 富山県氷見市伊勢大町1-6-7
関連HP 氷見うどん高岡屋本舗公式ホームページ
電車・バスで JR氷見駅から徒歩5分
ドライブで 能越自動車道氷見ICから約4km
問い合わせ 高岡屋本舗 FAX:0766-74-3842
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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