広島県呉市豊町御手洗、北前船(西廻り航路)の風待ち湊として栄え、歴史ある家並みが呉市豊町御手洗伝統的建造物群保存地区に選定される御手洗(みたらい)。なかでもひときわ江戸情緒を感じさせるのが、常盤町通り(ときわまちどおり)。入母屋造りの商家が軒を並べ、絵になる光景が展開します。
切妻造り・妻入りの商家が並ぶ御手洗のメインストリート
当初、御手洗の土地は、大長など周辺の村の畑として開かれていましたが、やがて天然の良港という地形を活かし、風待ち湊として船が集まるようになり、人々は港湾としての利用価値が高いことに注目するようになります。
寛文6年(1666年)、広島藩から屋敷地の許可を得て、港町としての整備を開始、寛文12年(1672年)には天領・酒田(現・山形県酒田市)や最上川周辺の天領米を江戸に運ぶため、河村瑞賢が西廻り航路を開き、その風待ち湊として発展します。
その後、宝暦9年(1759年)の大火で、町の大半が焼き尽くされたことから、現在の家並みは、宝暦の大火以降に建てられたもの。
問屋街として発展し、切妻造り・妻入りの商家が並んだ常盤町通りは、御手洗の中心的存在であり、今も御手洗散策の中心的な存在。
大長村庄屋役、御手洗町年寄役を代々務めた高橋家(屋号「柴屋」)の別宅「旧柴屋住宅」、元材木店の「潮待ち館」をはじめ、間口が狭く奥行きの長い、妻入り白壁塗籠造りの町家が連続。
狭い土地の有効活用を行ない、なおかつ防火対策に優れた町づくりがなされています。
電線も地中埋設され、修復された黒塀の軒先にかかる干し柿、港へと続く細い路地などがノスタルジックな気分をかき立ててくれることでしょう。
この常盤町通りとそれにクロスする相生通り(乙女座、若胡子屋跡などがあります)が、呉市豊町御手洗伝統的建造物群保存地区の中心で、30分〜1時間ほどで探勝することができます。
常盤町通り | |
名称 | 常盤町通り/ときわまちどおり |
所在地 | 広島県呉市豊町御手洗 |
電車・バスで | JR呉駅、または広駅からとびしまライナー豊・豊浜方面行きバスで、御手洗港(みたらいこう)下車 |
ドライブで | 広島呉道路呉ICから約40km |
駐車場 | 御手洗駐車場(16台/無料)、御手洗かもの駐車場(40台/無料)、または、周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 呉市文化スポーツ部文化振興課 TEL:0823-25-3463 |
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