旧島松駅逓所

札幌方面から千歳方面に国道36号を走り、島松沢にかかる旧道の橋の手前にあるのが、旧島松駅逓所(きゅうしままつえきていしょ)。駅逓脇には、マサチューセッツ農科大学学長から、札幌農学校に招かれたクラーク博士を記念するクラーク碑が立っています。実は、クラーク博士の有名な「少年よ、大志を抱け」はここでの発言だったのです。

クラーク博士はここで青年よのセリフを残した!

「少年よ、大志を抱け」の碑
ライトアップされた旧島松駅逓所

札幌農学校(現北海道大学)初代教頭のウィリアム・スミス・クラーク(William Smith Clark)博士は、任期を終えて帰米する明治10年4月16日、島松駅逓所で見送りの学生に、「少年よ、大志を抱け」(Boys, be ambitious)の名言を残したといわれているのです。

駅逓(えきてい)は、交通が不便な地に駅舎と人馬を備えて旅人に宿泊と運送の便をはかるために設置された宿駅で、街道の整っていなかった北海道に造られた独自のもの。

島松駅逓所は、明治6年に函館と札幌を結ぶ札幌本道(洋式馬車道)の開通(札幌〜室蘭間の開通)にともなって設置されています。
初代駅逓取扱人は、箱館奉行の依頼で島松〜千歳間の道路建設を担当した10代目・山田文右衛門(やまだぶんえもん)。

現存する北海道最古の駅逓所

明治14年の明治天皇北海道行幸の際には、御昼行在所に使われています。
明治17年からは、島松に入植し「寒地稲作の父」といわれた中山久蔵が経営にあたっています。
「寒地稲作発祥の地」碑が立っているのもそのため。

行在所として増築された上座敷、駅逓所時代の客間だった中座敷、下手の居間・帳場を含むダイドコロ部の3つからなり、明治6年から明治14年にかけて増築されていったと推測されます(昭和59年~平成2年に保存修復)。

往時の駅逓所の構造を残す建築物としては道内最古のもので、国の史跡となっています。

ちなみに、島松川は、江戸時代に東西蝦夷地の国境だった川。太平洋側の東蝦夷地は幕府直轄地、西側は松前藩の支配地でした。
谷底の集落、島松沢が開かれたのは幕末の1856(安政3)年のこと。

「Boys, be ambitious like this old man」
「暫くにして彼悠々として再び馬に跨り、学生を顧みて叫んで日く、『小供等よ、此老人の如く大望にあれ』 (Boys, be ambitious like this old man)と。一鞭を加へ塵埃を蹴て去りぬ」
明治27年/予科生徒・安東幾三郎(後の日伯拓植取締役)が札幌農学校の学芸会機関誌『恵林』に掲載した「ウイリアム・エス・クラーク」より=信頼できる最古の記録
クラーク博士
北広島市のカントリーサイン

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ホテルノースシティ

北海道都市職員共済組合が運営の公共の宿(シティホテル)。
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旧島松駅逓所
名称 旧島松駅逓所/きゅうしままつえきていしょ
所在地 北海道北広島市島松
関連HP 北広島市教育委員会公式ホームページ
電車・バスで JR恵み野駅からタクシーで5分
ドライブで 道央自動車道輪厚スマートICから約6km
駐車場 7台/無料
問い合わせ 北広島市教育委員会教育部エコミュージアムセンター TEL:011-373-0188
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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