南極観測樺太犬記念碑・樺太犬供養塔

南極観測樺太犬記念碑

昭和32年、日本が初めて南極観測に参加するにあたって、現地での物資輸送を目的に犬ぞり隊を編成することになり、派遣されたのが22頭の樺太犬。稚内周辺から集められた樺太犬40頭は、昭和31年3月20日から稚内公園頂上訓練所で8ヶ月間、厳しい訓練を受けています。稚内公園には南極観測樺太犬記念碑・樺太犬供養塔が立っています。

タロ・ジロを含め40頭の樺太犬が稚内公園で訓練された!

第1次南極地域観測隊として選び抜かれた22頭の樺太犬は、昭和31年11月8日、東京晴海ふ頭から南極観測船「宗谷」で南極・昭和基地へと渡ります。
昭和33年2月、第2次越冬隊は悪天候のため昭和基地への上陸を断念。
第1次越冬隊は小型飛行機で宗谷へ撤退しましたが、樺太犬15頭が50mほどのロープに繋がれたまま(1ヶ月分の食料が与えられ)基地に取り残されるという事態が発生。
昭和34年1月14日に第3次越冬隊は15頭のうち、兄弟犬のタロ、ジロが生存しているのを発見、大きな話題となりました。
残念ながら7頭(ゴロ・ペス・紋別のクマ・クロ・ポチ・モク・アカ)が首輪に繋がったまま死亡、6頭(風連のクマ・シロ・リキ・アンコ・デリー・ジャック)が行方不明となったのです。

このエピソードは、昭和58年には高倉健主演の映画『南極物語』(キャッチコピーは、「どうして見捨てたのですか なぜ犬たちを連れて帰ってくれなかったのですか」)として公開されています(稚内周辺では抜海駅などがロケに使われています)。

昭和35年7月に除幕された南極観測樺太犬記念碑は、ジロをモデルにしており、台座には南極で採取した白石が埋め込まれています。
除幕されたのは、タロ・ジロ発見の翌年で、国内は大いに盛り上がっていたのです。
タロ、ジロは第3次越冬隊にも参加し、ジロは昭和基地で没。タロは、昭和45年8月に北海道大学付属植物園で死亡しています。

ピラミッド型の樺太犬供養塔は、稚内公園の犬ぞり訓練所跡地に、昭和36年10月、建立されたもの。
毎年8月上旬に、この慰霊碑の前で慰霊祭が行なわれています。

初代の南極観測船「宗谷」は、東京・お台場の船の科学館に係留・公開され、ジロの剥製は国立科学博物館(東京・上野)に、タロの剥製は北海道大学植物園(札幌)に収蔵展示されています。
また、当時開業したばかりの東京タワーに15頭の樺太犬記念像が設置されていましたが、国立極地研究所(東京都立川市緑町)にに移設されています。

南極観測樺太犬記念碑・樺太犬供養塔
名称南極観測樺太犬記念碑・樺太犬供養塔/なんきょくかんそくからふとけんきねんひ・からふとけんくようとう
Antarctica Expedition Sakhalin Husky Monument and Memorial Monument for the Dogs
所在地北海道稚内市稚内村ヤムワッカナイ
関連HP稚内・利尻・礼文観光WEBサイト
電車・バスでJR稚内駅から徒歩30分
ドライブで稚内空港から約15km
駐車場氷雪の門駐車場(50台/無料)、開基百年記念塔駐車場(30台/無料)
問い合わせ稚内市北方記念館 TEL:0162-24-4019
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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