白河小峰城

白河の関がある白河に建つ奥州関門の名城で国の史跡。盛岡城、若松城とともに東北三名城のひとつで、豊臣時代には会津領となり、関ヶ原の合戦では上杉家の家康軍防御の拠点として機能しました。藩政時代には7家21代の居城に。一帯は城山公園として整備され、「日本100名城」、「日本の歴史公園100選」にも選定。

丹羽長重が近世的城郭として築城

鎌倉幕府の討幕で功を成した結城親朝(ゆうきちかとも)が後醍醐天皇の建武の新政後の興国・正平年間(1340年~1369年)に阿武隈川に臨む小峰ヶ岡に城を構えたのが始まり。

現存する近世の城郭は、1632(寛永9)年に初代藩主・丹羽長重(尾張国春日井郡児玉出身の丹羽長秀の長男)が4年の歳月を費やして完成させた梯郭式の平山城。

丹羽氏、榊原氏、本多氏、奥平松平氏、越前松平氏、久松松平氏、阿部氏と7家21代の大名が居城としましたが、1868(慶応4)年、戊辰戦争・白河口の戦い(奥羽越列藩同盟軍と新政府軍との激戦)で炎上して落城。

復元された前御門は映画『武士の一分』のロケ地に

『武士の一分』のロケ地にもなった前御門(復元)
前御門から見上げた三重櫓
現在では一帯は城山公園として整備され、平成3年に三重櫓(天守に相当)、平成6年に前御門が江戸時代の絵図に基づき忠実に木造(戊辰戦争の激戦地となった松並稲荷山の杉)で復元されています。
木の香漂う三重櫓は内部の見学も可能です。

前御門は、映画『武士の一分』(ぶしのいちぶん/平成18年・松竹映画/主演=木村拓哉、監督=山田洋次)のロケにも使われています。

二の丸入口付近の太鼓門西側に建てられていた太鼓櫓は、三の丸の紅葉土手に移築された後、現在地に移築され、茶室として使われていますが、これが往時の面影を今に伝える唯一の遺構となっています。

公園内には結城氏や阿部氏に関する資料を展示した「白河集古苑」や「白河バラ園」(6月の開花期に営業)があります。

見事な石垣も残りますが、丸く積まれた「鷹の目の石垣」にも注目を。

ちなみに白河駅は三の丸門に位置し、大手門は駅南の現・大手町にありました。
陸羽街道(現在の国道294号)のすぐ西に外堀があり、その内側が三の丸だったという縄張り。

正保城絵図に見る 奥州白河城


大手門は、現在の白河駅南側にあり、平成5年の駅前区画整理事業で礎石が発見されています。
搦手門(からめてもん=裏門)は、北側の阿武隈川側に。
二の丸は現在広大な園地になっています。

白河集古苑
白河小峰城
名称 白河小峰城/しらかわこみねじょう
所在地 福島県白河市郭内1
関連HP 白河市公式ホームページ
電車・バスで JR白河駅から徒歩5分
ドライブで 東北自動車道白河中央スマートICから約3km。または、白河ICから約5.7km
駐車場 城山公園駐車場(100台/無料)
問い合わせ 白河観光物産協会 TEL:0248-22-1147/FAX:0248-22-0117
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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