福島県須賀川市の郷土菓子といえば「かみしめ」。市内の馬町に店を構えるかみしめ屋本店は、天保7年(1836年)、創業の老舗菓子店。羊羹や大福餅、最中など定番の和菓子も扱うが、人気はやはり初代の小林半兵衛が作り始めたという「かみしめ」。東京の「雷おこし」にも少し似た、郷土菓子です。
須賀川名物の「かみしめ」を購入
製法も昔のままで、まずは蒸した餅米(新潟産のコガネモチ)を天日で干し、石臼で砕いて干飯をつくることからスタート。
その干飯を薪の火を使って釜で2日間かけて煎ってから、黒糖蜜と水飴をからめ、仕上げに黄粉と水飴を混ぜて薄く延ばした皮で巻き、もう一度上から黄粉をまぶして完成という実に手間の掛かる菓子。
外側の薄皮は麺棒で厚さ1mmほどに伸ばすなど、技術も要する菓子で、「その日の天気や気温、湿度に左右される繊細な菓子です」(当主の小林一夫さん)。
雷おこしににも似ていますが、代々の当主が半兵衛を名乗ったため(小林一夫さんは5代目)、「半兵衛おこし」とも呼ばれてきたのだとか。
7月~9月は1年分の干飯製造のため「かみしめ」の販売がないのでご注意を。
これもすべて昔ながらの手作りゆえの苦労なのです。
雷おこしなどとは違った、ソフトな食感で、噛みしめるように味わえば、干飯自体の米の風味がにじみ出てくることが名の由来とも推測できます。
北海道十勝産の小豆を使い、自家製の粒あんをこしあんで巻いた京風和菓子「松明絵巻」(たいまつえまき)も人気。
かみしめ屋本店 | |
名称 | かみしめ屋本店/かみしめやほんてん |
所在地 | 福島県須賀川市馬町2-5 |
関連HP | 須賀川市公式ホームページ |
電車・バスで | JR須賀川駅から石川町行きの福島交通バスで5分、中町下車、徒歩5分 |
ドライブで | 東北自動車道須賀川ICから約3km |
駐車場 | 2台/無料 |
問い合わせ | かみしめ屋本店 TEL:0248-73-2906 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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