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中部地方にある100m以上の巨大古墳 全23基紹介

中部地方に築かれた100mを超える巨大古墳は、現存するのが23基。三重県が5基と多く、岐阜県が4基、愛知県と静岡県が3基と続いています。日本海側で最大は、秋常山1号墳(石川県)と、六呂瀬山1号墳(福井県)でともに墳丘長140mという巨大な前方後円墳です。23基をランキングで紹介。

4世紀、東海地方はヤマト王権の勢力圏に入った!

中部地方最大の御墓山古墳

中部地方最大の墳丘長190mの御墓山古墳(みはかやまこふん)が伊賀市に築かれているのは、ヤマト王権にあった畿内に伊賀国が近いという関係性から。
同様に東山道の通る岐阜県も美濃(みの/岐阜県南部)が畿内に近いという地理的要因があり、巨大な前方後円墳が築かれたのだと推測できます。

中部地方に共通するのは、関東など東国に比べて、築かれた年代が早いこと。
関東では6世紀〜7世紀でも大きな古墳が築かれていますが、東海地方、北陸などでは4世紀〜5世紀に集中しています。

中部地方は、いち早く、ヤマト王権の勢力圏に組み込まれ、連合した土地で、ヤマト王権の象徴である巨大な前方後円墳を、王権との関係性を示すために各首長が競って築いたのだと推測できます。

山梨県甲府市の甲斐銚子塚古墳は、東海地方からヤマト王権の勢力範囲が甲府盆地まで及んだことを示すもので、副葬品として三角縁神獣鏡も出土しています。
長野県最大の森将軍塚古墳もほぼ同時期に築かれていることから、甲信エリアは、4世紀半ば頃にはヤマト王権の勢力圏に入ったと考えられます。

北陸の巨大古墳は4世紀末頃なので、少し遅れて日本海側へと勢力圏が及んだのだと思われます。
ただし、高志の国(越国)でも、畿内から遠く離れた越後(新潟県)では100mを超える前方後円墳は築かれていません。

中部地方にある100m以上の巨大古墳 全23基

順位古墳名墳丘長所在地旧国名古墳の形式築造時期
1位御墓山古墳
(三重県1位)
190m三重県
伊賀市
伊賀国前方後円墳5世紀頃
2位甲斐銚子塚古墳
(山梨県1位)
169m 山梨県
甲府市
甲斐国前方後円墳4世紀中頃
3位断夫山古墳
(愛知県1位)
151m
(160m)
愛知県
名古屋市
尾張国前方後円墳6世紀前半
4位昼飯大塚古墳
(岐阜県1位)
150m岐阜県
大垣市
美濃国前方後円墳4世紀末
5位馬塚古墳
(三重県2位)
142m三重県
名張市
伊賀国前方後円墳5世紀後半
6位秋常山1号墳
(石川県1位)
140m石川県
能美市
加賀国前方後円墳4世紀後半
6位六呂瀬山1号墳
(福井県1位)
140m福井県
坂井市
越前国前方後円墳4世紀末
〜5世紀初頭
8位天神山古墳
(山梨県2位)
132m山梨県
甲府市
甲斐国前方後円墳4世紀頃
9位手繰ヶ城山古墳
(福井県2位)
129m福井県
永平寺町
越前国前方後円墳4世紀中頃
10位青塚古墳
(愛知県2位)
123m愛知県
犬山市
尾張国前方後円墳4世紀中頃
11位石山古墳
(三重県3位)
121m三重県
伊賀市
伊賀国前方後円墳4世紀後半
12位坊の塚古墳
(岐阜県2位)
120m岐阜県
各務原市
美濃国前方後円墳4世紀末
13位琴塚古墳
(岐阜県3位)
115m岐阜県
岐阜市
美濃国前方後円墳5世紀
14位白鳥塚古墳
(愛知県3位)
115m愛知県
名古屋市
尾張国前方後円墳4世紀前半
15位宝塚古墳
(三重県4位)
111m三重県
松阪市
伊勢国前方後円墳5世紀初頭
16位谷津山古墳
(静岡県1位)
110m静岡県
静岡市
駿河国前方後円墳4世紀
17位銚子塚古墳
(静岡県2位)
108m静岡県
磐田市
遠江国前方後円墳4世紀後半
18位柳田布尾山古墳
(富山県1位)
107.5m富山県
氷見市
能登国前方後円墳3世紀末
〜4世紀初頭
19位松林山古墳
(静岡県3位)
107m静岡県
磐田市
遠江国前方後円墳4世紀後半
20位粉糠山古墳
(岐阜県4位)
100m岐阜県
大垣市
美濃国前方後円墳4世紀末
〜5世紀初頭
20位女良塚古墳
(三重県5位)
100m三重県
名張市
伊賀国帆立貝式古墳5世紀前半
20位上ノ塚古墳
(福井県3位)
100m福井県
若狭町
若狭国前方後円墳5世紀初頭
20位森将軍塚古墳
(長野県1位)
100m長野県
千曲市
信濃国前方後円墳4世紀中頃
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