茨城県那珂郡東海村にある古刹が、村松虚空蔵尊。寺伝によると平安時代初期の大同2年(807年)、空海が鎮護国家の願いを込めて虚空蔵菩薩を自刻、平城天皇から「村松山神宮寺」の勅額を賜って創建したと伝えられ、圓蔵寺(福島県)、金剛證寺(三重県)とともに日本三大虚空蔵尊に数えられています。
十三詣りでも有名な虚空蔵菩薩

中世には佐竹氏、近世には徳川家康や水戸徳川家の尊崇を受け、その庇護のもとに繁栄した歴史を有しています。
地元では、「十三詣りと云えば村松虚空蔵、村松虚空蔵と云えば十三詣り」として「知恵授けの十三詣りの名所」(十三詣り=数え年で13歳になった子供が、知恵と福徳を授けてもらうために虚空蔵菩薩に参詣する行事)として有名。
村松虚空蔵尊によると、虚空蔵菩薩のご利益(りやく)は「福徳智能を授け、開運出世、無病延命、諸願成就の願いを叶い賜う」こと。
頭脳明晰、記憶力増進という福徳から、合格祈願だけでなく、近年ではボケ防止などの祈願も増えています。
空海も修めた密教の修行「求聞持法」(ぐもんじほう)は、虚空蔵菩薩の真言を、1日1万回、100日連続で唱えて心身を鍛えるもの。
達成した者には無限の記憶力が与えられ、見聞きしたことは忘れなくなるとされていますが、一般人にはそれは無理。
そこで、それにあやかろうと十三詣りが始まったのです。
「虚空」とは無限ということ。
無限の知恵を収蔵する蔵が虚空蔵で、無限の知恵や福徳の功徳を蔵に蓄えた虚空蔵菩薩は、尽きることなく利益安楽が湧き出し、人々を救ってくれるというわけなのです。
入口の仁王門をくぐる前に一礼をし、手水舎の水で心身を清めてから本堂(大摩尼殿)の仏前へ。
本堂(大摩尼殿)は、大正6年築。
空海自刻の虚空蔵菩薩は秘仏で、前立本尊を拝みます。
大晦日の除夜の鐘は整理券が配布され、参拝客も撞くことが可能。
正月初詣護摩祈願は1月1日〜1月7日。
元朝0時の一番護摩のみ、事前の予約が必要です(12月1日〜12月30日に予約受付)。

| 村松虚空蔵尊 | |
| 名称 | 村松虚空蔵尊/むらまつこくぞうそん |
| 所在地 | 茨城県那珂郡東海村村松8 |
| 関連HP | 村松虚空蔵尊公式ホームページ |
| 電車・バスで | JR東海駅から茨城交通バスで19分、虚空蔵尊前下車、徒歩3分 |
| ドライブで | 北関東自動車道東海スマートICから約6km、ひたちなかIC、日立南太田ICから約9km |
| 駐車場 | 村営駐車場(120台/無料) |
| 問い合わせ | 村松虚空蔵尊 TEL:029-282-2022/FAX:029-282-1816 |
| 掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 | |




















