東京駅と名古屋駅を結び、中部山岳地帯を走り抜ける中央本線。今は東京駅が起点となっていて0kmポストもありますが、明治28年に現在の中央本線の前身となる甲武鉄道開業時の起点駅は飯田町駅(いいだまちえき)で、昭和8年に長距離列車の起点が新宿駅に移るまで始発駅として機能していました。
中央本線の前身、甲武鉄道の起点として明治28年に開業
甲武鉄道は、明治22年4月11日に新宿駅〜立川駅間が開業、明治27年10月9日に牛込駅まで延伸し、信濃町駅、四ツ谷駅、牛込駅が開業、さらに明治28年4月3日には、甲武鉄道の起点として飯田町駅が開業しています。
明治37年8月21日には飯田町駅〜中野駅が電化され、いち早く電車の運転も始まっています。
明治37年12月31日、御茶ノ水駅まで延伸、明治39年10月1日には国有化されています。
その後、明治41年4月19日に昌平橋駅まで、明治45年4月1日、万世橋駅(現在の秋葉原駅近く)まで延伸し(昌平橋駅廃業)、大正8年3月1日についに東京駅まで延伸されています。
当初は、中野駅〜(中央本線)〜新宿駅〜(中央本線)〜東京駅〜品川駅〜新宿駅〜池袋駅〜田端駅 〜上野駅間と山手線に乗り入れての「の」字運転が行なわれていました。
飯田町駅に変わって飯田橋駅が開業し、牛込駅が廃止されるのは昭和3年11月15日のこと。
飯田町駅は長距離列車発着用のターミナルとして使われましたが、昭和8年に新宿駅が長距離列車の始発駅となったことで、旅客営業を廃止し、貨物駅に転身。
周辺に印刷会社や新聞社が多かったことから紙輸送貨物列車が発着する紙の物流起点となりました。
駅が完全に廃止されたのは平成11年3月のこと。
あまり知られていませんが平成になっても貨物列車が出入りしていたのです。
駅の跡地は現在、大和ハウス東京ビル、JRグループの「ホテルメトロポリタン エドモント」などの複合施設「飯田橋アイガーデンテラス」となっていて、飯田橋エントランスから中央街区に向かって路面に線路が組み込まれ、甲武鉄道の起点駅だったという歴史を演出しています。
中央本線の起点は東京駅でなかった!? | |
所在地 | 東京都千代田区飯田橋3-10 |
場所 | 飯田町駅跡 |
電車・バスで | JR・都営地下鉄水道橋駅から徒歩5分。JR・東京メトロ・都営地下鉄飯田橋駅から徒歩7分 |
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