天保元年(1830年)創業という石川県金沢市の老舗が、俵屋本店(あめの俵屋)。当時、母乳が出ないために子供を餓死させる母親たちが多く、それを見かねた初代・次右衛門が考案したのが、じろ飴。石川名産の加賀米と大豆から作られたこの飴は、地元では料理の隠し味に使われ、加賀の食文化を支えてきました。
じろ飴は、煮物、照焼きにも活用可能
金沢では昔から甘味料として煮物や煮豆、小魚などの「あめ炊き」として使われ、健康増進のためにも利用されてきました。
砂糖が庶民の手に入るようになるまで、こうした天然素材(麦芽の酵素が米のでんぷん質を糖化)がもたらす甘味は貴重なもので、滋養にもよかったので、子育て飴としても活用されたのです。
今も原料は、米、大麦、水だけ。
それだけに、糖化時間、保温温度、麦芽の室など、ごまかしや手抜きが許されない、職人技が要求されるのです。
乾燥した箸やスプーンで巻き上げて食べる飴は菓子としてだけでなく、焼き魚の照り出しにも最適なのです。
本店のほか、小松空港、金沢駅・百番街、石川県観光物産館などでも購入できます。
ちなみに俵屋本店のレトロな建物(金沢市指定保存建造物)は、 昭和45年から始まった国鉄の「ディスカバー・ジャパン」(DISCOVER JAPAN)キャンペーンのポスターなどにも使われ、当時「美しい日本と私」(ノーベル賞作家川端康成の揮毫による副題、言葉を考えたのも川端康成)を代表する景観(「絶滅のおそれのある懐かしい日本の風景」/ディスカバー・ジャパンのプロデューサー藤岡和賀夫)に。
古都・金沢にアンノン族が押し寄せた時代には、金沢のシンボル的な存在にもなっていました。
「ディスカバー・ジャパン」風に写真を撮るなら、のれんをくぐって出てくるシーンをパチリ(できれば雨の日)。
俵屋本店 | |
名称 | 俵屋本店/たわらやほんてん |
所在地 | 石川県金沢市小橋町2-4 |
関連HP | 俵屋本店公式ホームページ |
電車・バスで | JR金沢駅から徒歩20分 |
ドライブで | 北陸自動車道金沢東ICから約4km |
駐車場 | 5台/無料 |
問い合わせ | 俵屋本店 TEL:076-252-2079/FAX:076-251-3525 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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