旧福浦灯台

福浦港(石川県志賀町)の入口に位置する日和山(ひよりやま)の断崖の上で日野長兵衛が1608(慶長13)年に篝火を焚き、船の出入りの安全を図ったのが日本の灯台の始まり。明治43年に灯台が旧福浦村の運営になるまで約300年に渡り日野家が灯明・灯台を守り続けてきました。現存する旧福浦灯台は、明治9年に日野吉三郎が建てたもの。

日本最古の西洋式木造灯台が現存

旧福浦灯台は、木造のため傷みが激しく、板はしばしば張り替えられていますが、わが国最古の西洋式木造灯台。
建築したのは福良住三渡辰之丞を棟梁とする3名の地元大工であることが天井裏から発見された棟木によって判明しています。

高さ5mの灯台内部は3層になっていて、現在の福浦灯台が設置される昭和27年まで現役でした。
石川県の史跡に指定され、灯台近くには「日本燈台濫觴之地」(にほんとうだいらんしょうのち)と記された石碑も。
濫觴(らんしょう)とは物の始まりの意。

河村瑞賢(かわむらずいけん)が、1672(寛文12)年、西廻り航路(酒田〜佐渡・小木〜能登・福浦〜但馬・柴山〜石見・温泉津〜長門・下関〜摂津・大坂〜紀伊・大島〜伊勢・方座〜志摩・畦乗〜伊豆・下田〜江戸という航路)を開拓したとき、能登半島の西海岸では深い天然の入江のある深浦が寄港地と定められました。

唐の時代に渤海国使節が来航したのもこの福浦の湊。
湊を見おろす高台に金比羅神社(こんぴらじんじゃ)があるのも北前船の寄港地だった証。
福浦に近い松ヶ下漁港は北前船の緊急避難港だった湊です。

旧福浦灯台は映画『リトル・マエストラ』(監督:雑賀俊郎、出演:釈由美子、有村架純、蟹江敬三ほか)のロケ地にもなっています。
12月中旬〜2月中旬には灯台のライトアップも実施。

旧福浦灯台
名称旧福浦灯台/きゅうふくらとうだい
所在地石川県羽咋郡志賀町福浦港
関連HP志賀町公式ホームページ
電車・バスでJR羽咋駅から能登西部バス富来行きで48分、三明下車、福浦経由富来行きに乗り換え7分、福浦下車、徒歩7分
ドライブでのと里山海道西山ICから約15km
駐車場5台/無料
問い合わせ志賀町商工観光課 TEL:0767-32-9341
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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